SBI新生銀、論文評価・要約ツール開発 AI活用事例100件超
2025.04.25 14:00
SBI新生銀行は、生成AI(人工知能)を使った学術論文の評価・要約ツールを開発。4月から本格稼働し、生成AI関連情報の収集を強化している。
同行はグループデジタル戦略部にデータサイエンティストが在籍し、生成AIを銀行業務に生かすための研究を行っている。評価・要約ツールはインターネットの論文サイトに公開される3万件超の生成AIに関する論文から研究テーマ「クレジットリスク」「マーケティング」「AI関連」「統計」のキーワードで抽出。その内容を分析、タグ付けし整理する。抽出した論文が他の学術論文に引用されている件数の多さで、チェックすべき優先度を決める。
生成AIで論文の内容を要約することで「ツールの導入以前に比べて数十倍の論文チェックが可能なった」(金丸正道グループデジタル戦略部長)。
生成AIの研究成果は、(1)法人営業スタッフの営業日報を要約。管理職の状況把握・対応指示をスピードアップ(2)法人融資審査の不芳情報収集・整理(3)コールセンターが受信するお客さまの声の集約・整理――など業務効率化や商品・サービスの機能強化など100件を超える。
今後は、生成AIの先端情報収集をスピードアップして「生成AIの使い方を変えることで精度が高まる分野」「ベテラン行員の融資審査の判断根拠を学習させて言語化し若手の育成に生かす」など活用分野を広げ、銀行業務の効率化・高度化を進める方針だ。