
2023/5/30 財務大臣記者会見 まとめ
Q. 昨日の財政制度等審議会で提出された建議(意見書)で指摘された”円の信認”について
昨日、財政制度等審議会におきまして、歴史的転機における財政と題された建議を取りまとめていただき、私も十倉会長からその建議を受け取ったところであります。この建議の中でご指摘にありましたように、円の信認を支えてきた経済的ファンダメンタルズが絶対のものではなくなりつつあることを強く認識すべきであること。それから中長期的に円の信認を維持すべく取り組んでいくことが重要であって、この観点から、国際的な共通認識から外れるような過度に拡張的な財政運営は改めるべきであること、といった点が指摘をされているところであります。グローバルな経済・金融環境が大きく変化し、我が国でも潮目が変わってきている中、建議の指摘を重く受け止める必要があると認識をいたしております。この点、先日、新潟で開催されましたG7財務大臣・中央銀行総裁声明では、財政支援のターゲットを絞ることや財政の持続可能性を確保すべきことなどが指摘されておりますけれども、今回の建議での指摘も踏まえ、こうした国際的な共通認識にかなう形で、財政運営を行っていく必要があると考えております。
Q. 少子化財源における自民党幹部の発言への受け止めについて
こども政策強化の内容、それから予算、そのための財源については、今、総理のもとで議論を行っているところであります。そして今後ですね、与党におきましても、議論を行っていただくという過程の段階にありますことから、現段階におきまして確定的なことを申し上げられないことはご理解をいただきたいと思います。その上でですね、様々なご発言はあるわけではございますけれども、先日開催されたこども未来戦略会議において総理から、全世代型社会保障の観点から歳出改革を徹底し、国民の実質的な負担を最大限抑制していくといった方向性が示されるとともに、こうした方向性に基づいて企業を含め、社会経済の参加者全体が連帯をし、公平な立場で子育て世帯を広く支援していく新たな枠組みについて検討する旨が示されたところであります。歳出改革については、このような総理からのご発言を踏まえまして、取り組んでいくものとそのように政府の立場では考えているところであります。先ほど申し上げました通り、この後ですね、与党におきましても、ご議論をいただいて、それも踏まえて最終的な形を決めていくとこういうことになっております。その過程においての色々なお考えというものがあるんだというふうに思います。
Q. ストックオプションは給与所得との国税庁の見解について
ご指摘の報道がありましたこと、これは承知をしているところであります。一般に企業が役員等に付与するストックオプションにつきましては、一定の税制上の要件を満たす場合などを除きまして、ストックオプションの行使時に給与所得として課税することとされております。いわゆる信託型ストックオプションにつきましては、ストックオプションを一旦形式的に信託に移していることから、一部の信託会社等がストックオプションの行使時に給与課税されないとの説明を行ってきたことは承知しておりますが、国税当局としては、役員等へのストックオプションの付与を目的としたものであることからストックオプションの行使時に給与課税されるとの見解であるところであります。これまで、国税庁において関係業界等に対し、こうした考え方を丁寧に説明してきたところであります。今般、信託型ストックオプションの課税関係をより広く周知するために国税庁の見解を取りまとめたQ&Aを公表することとしたと、そのように報告を受けているところであります。
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2023/5/26 財務大臣記者会見 まとめ
(発言要旨①)5月25日のスリランカ大統領との面会について。
昨日の夕方、来日中のスリランカのウィクラマシンハ大統領兼財務大臣と面会を行い、スリランカの債務問題への対応等について意見交換しました。先方の発言内容は控えなければならない決まりでありますけれども、私からは大統領の要請に基づき日本が債権国間の広範な協調を指導した結果、債権国会合が創設され、5月9日に第1回の会合が開かれたこと。改革の着実な実施を期待していること。債務再編に当たり、透明性や公平性の確保が不可欠であることなどをお伝えをいたしました。スリランカのような中所得国の債務再編において、新興債権国を含む債権国会合が創設されたことは画期的であると思います。日本は引き続き共同議長として、議論を指導してまいりたいと思っています。
(発言要旨②)対外資産負債残高等について。
それから二つ目は対外資産負債残高などについてでありますが、本日の閣議におきまして、令和4年末の対外資産負債残高等について報告を行いました。令和4年末の対外純資産は前年末比で約0.7兆円増加して、約419兆円となり、32年連続で世界最大の純資産国となっております。
Q. 少子化対策について国債発行で財源を賄う場合の合理的理由は。
まず少子化対策、それに関わる財源の問題でありますけれども、ご承知の通り、3月にたたき台が出まして、今の総理のもと、どういう政策が必要かその内容、それから予算、財源について今検討が行われているまさにその最中であります。そして与党の意見を今後最終的に取りまとめるという状況でありますので、今確たるものが決まっているわけではございませんし、そういう意味で確たることを発言できないという状況にあるということを前提としてですね、お聞きいただきたいとこういうふうに思います。その上で先日開催されましたこども未来戦略会議におきまして総理からは、2030年までの少子化対策のラストチャンスを逃がさないこと。安定財源確保に向けた歳出改革の積み上げなどや賃上げ、投資促進等の取り組みには複数年を要するが、強化された少子化対策はそれを待つことなく前倒しで速やかに実行に移していく旨の発言がございました。
こうした前倒しで速やかに実行に移していくというような考え方を踏まえて、ご指摘のような報道がなされているのではないかと考えますが、こども・子育て政策強化における加速化プランの事業実施の具体的なタイミングでありますとか、それを支える安定財源のあり方については、現在まさに検討中であるわけでありまして、予断を持ってお答えすることはできないということはご理解いただきたいと思います。いずれにいたしましても、恒久的な施策には恒久的な財源が必要であり、子供政策を強力に進めていくために必要な財源について、社会全体で安定的に支えていく必要があると考えております。
Q.少子化対策における国民負担の考え方について。
これも先ほど申し上げました通り、今まさに検討の最中であるということでありますが、それを申し上げた上で、22日に開催されましたこども未来戦略会議におきまして総理からは少子化対策の財源確保のための消費税を含めた新たな税負担は考えていないことを前提に、徹底した歳出改革による財源確保や、こうした歳出改革の徹底により、国民の実質的な負担を最大限抑制することなどの方向性が示されるとともに、こうした方向性に基づき、企業を含め、社会経済の参加者全体が連帯し、公平な立場で子育て世帯を広く支援していく新たな枠組みについて検討する旨、示されたところであります。こうした総理指示の内容を踏まえ、必要な政策強化の内容、予算、財源についてこども未来戦略会議においてさらに具体的な検討を深めまして、6月の骨太方針までに将来的な子ども子育て予算倍増に向けた大筋を提示していくものと承知をしております。今まさに検討中であるという状況の中で申し上げますと、以上の通りであります。
Q.児童手当を拡充した場合の扶養控除の見直しについて。
先般の記者会見のときに申し上げましたけれども、そういう問題意識をですね、今持っているということを申し上げたところでございまして、これにつきましても扶養控除をいじるのかいじらないのかこれについても現在決まっているものはないわけでございます。これは問題意識を申し上げるわけでありますけれども、児童手当の拡充を検討する際には、これまでの児童手当を巡る制度改正の経緯もありまして、歳出と税制のあり方を総合的に考える中で、扶養控除との関係をどう考えるか整理する必要があると考えております。少子化対策の財源確保を目的として検討される事柄ではないということも先般申し上げたところでございます。いずれにつきましても、今まさに検討最中でありまして、まもなくですね、6月の骨太の方針についてしっかりとした結論を出していくということでございます。そういう問題意識について先般申し上げたというところであります。
Q.ドル円が半年ぶりに140円に達したが円安への受け止めは。
為替相場につきましては、これは市場においてファンダメンタルズに基づいて決められていくということでございます。今までも中身についてのコメントは私の不用意な発言が何か市場に影響を与えてはいけませんのでいたしておりませんけれども、今後とも市場の動向をしっかりと見ていくと。今もずっとウォッチングしてますけれども、しっかりと見ていきたいと考えております。
Q.米国の債務上限問題について、日本経済への影響や対応策について。
米国で今、債務上限引き上げ等に向けた議論が行われているということで、もちろん私も含めて注目をしているところでございますが、こうした中で、仮に米国債がデフォルトすれば、世界経済・金融に大きな影響を及ぼしかねない問題であるといった指摘がですね、様々な方面からなされているということは承知をしておりますが、当該議論に関する見通しがどうなのか、仮に米国債がデフォルトした場合の影響等については、まだ今進行中で、仮定に基づく他国の重要な政策に関わるご質問でありますし、また私の発言が市場等に影響を及ぼす可能性もありますので、具体的にお答えすることは控えさせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、引き続き米国の債務条件を巡る動向、これについては注視をしていきたいとそう思ってます。
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2023年3月期決算トピック 中国地区地域銀
ひろぎんHD/山口FG/山陰合同銀/トマト銀/西京銀
ひろぎんHD
--株主還元方針の見直しについて。
一言で申し上げますと、今世の中全体がですね、配当性向1本になっているということです。我々は、配当性向というよりも配当金額を表に出したんですね。利益水準によって。その流れが今変わってきてるというのが一つと、もう一つが、我々が従来やってます配当テーブルの水準がですね、今現在でいうと相対的に低くなってる。この二つの理由で変えたということです。(配当性向が)40%というのはこれからのですね、いわゆる利益をどのように処分するかという話の中でね、いわゆる株主にどう還元するかということと、将来の投資に向けて、将来の成長に向けてどう投資をするかということ。それから人的投資、そういうものにどう回すか、この配分だと思ってるんですね。従いまして、仮に100億円ほど利益があるとしたときに、今の考え方は40(億円)から55(億円)を株主還元する。残りを一部内部留保で留めるのと、あとは成長投資、人的投資に使うというのが基本的な考え方です。
山口FG
--下関市とパソナグループの連携協定について。
下関にパソナさんが連携協定を下関市と結ばれて地域活性化に取り組もうとされているというところについてですが、下関市に新たなプレーヤーが参入されていることについて、歓迎したいと考えております。それだけ下関市の地域資源や市が認められている様々な動向が民間事業者として魅力と感じていただいたのだと改めて認識しております。パソナとはグループ会社のYMキャリア、人材紹介業を行っている会社ですが、再就職支援分野において業務提携契約を締結しております。YMFGといたしましてはこの人材支援分野、人材紹介分野に限らず、下関市とも連携して地域活性化に資する取り組みは、あらゆる可能性を模索していきたいと考えておりまして、パソナともシナジーを生み出せる分野や取り組みについて、引き続き連携を検討していきたいと考えております。地場の経済が活性化し、成長しない限りYMFGの成長はないという根本的な考えに基づいて、地方創生を行っている所存でございます。
非金融もですね、いま育っている人材紹介業のYMキャリアについては着実に結果を出してまして、設立1年目の時は2019年に4000万円程度の売り上げだったのですけど、2022年度は、4億2000万円と着実に成長しています。粗利益ベースでも3200万円から2億6600万円ということで、件数についても、人材紹介の件数が当初2019年8件だったのがいま102件。スキルシェアリング、副業やプロシェアリングの件数は213件。当初2019年から、着実に人材紹介業については金融の事業性評価と相まって成長してきている。
山陰合同銀
--預証率の見通しについて。
当行は有価証券の運用が非常に多い銀行です。地方銀行でも以前は有名でしたが、有価証券の割合が、年々下がっているわけでして、今後は有価証券のポートフォリオの見直しをする過程で売却損を先ほど出したと言いましたけれども、かなり減ってまいりました。マーケットがもうちょっと落ち着けばですね、また運用をしていきたいというふうに思っておりますので、有価証券の残高自体は増えていく。そういうふうに考えております。一方ですね、預金の残高もかなり増えておりまして、お取引先の基盤が拡充するに従って、預金もどんどん集まってきております。ですので、比率がどうなるかっていう点ではですね、多少今よりはですね、預証率は、上がっていくだろうと思いますけれども、預金も上がっていくので、元のような預証率になることはないだろうなと考えています。
トマト銀
--中期経営計画最終年度の取り組みについて。
今年度が3カ年計画の最終年度になります。2015年からスタートしているのが、「夢をかなえ、地域の未来を創造する銀行」を目指していくんだ、というようなことをずっと標榜していました。ちょうど9年が経って最終のとこにきました。で、その一番最終の目標というのは、先ほど言いました1兆円、そして4:4:2、中小企業向け貸出、個人向けが4割、そして残りが2割。そしてもう一つは、事業先数を1万1500先までやっていこうというふうにして今年度末1万1450先ぐらい。ですからほとんどキャッチアップができるところまできておりますので、銀行としては、当時約10年前に、どうやって地域の金融機関として、生きていくかという時にですね、そういう目標を持って、夢を持ってやっていたのが、もう最終段階に入ったのが今年度ということで、より一層先ほど申し上げましたけれども、お客様に徹底的に寄り添って本業支援と、最適提案活動、もっと言葉を変えれば法人戦略と個人戦略の両輪を上手に回していこうと、その形を最終的に作るのが今年度の大きな目標であります。それによってお客様に頼りにされる、小さな金融機関ですけど頑張っていきたい。そういう思いを社員一同持っていますので、ぜひご支援をお願いします。
西京銀
--本社ビルの建て替えについて。
私ども西京銀行の本社ビルの建て替えを決定しておるということでございます。実は、今日皆さんここに来ていただいております本店については、約60年の歴史があるということでございまして、相当な老朽化で、実は5階も一部雨漏りをしているというような状況もございます。従いまして、良い所があればですね、移りたい、建て替えしたいということを考えていましたところ、ちょうど徳山駅の新幹線口、海側の所に旧JTさん、日本たばこ産業さんがあった土地、約1万5000坪ですけれども、ここを我々が取得をすることができたということでございまして、それをきっかけに本店の老朽化が進んでおったということも合わせてですね、今般、本社ビルの建て替えを決定させていただいたということでございます。愛称を「徳山テラス」という形で名付けさせていただきまして、分かち合うとか、シェアをするということであります。北側の方がですね、再開発が非常に進んできておるということでありまして、海側はまだ少しそういう意味で遅れてるということでありますので、例えば北側の周南図書館と南側の新しいこの徳山テラスが繋がりまして、一つの新しい町の賑わいの拠点になればということを意図しておるということでございます。
今本社ビルには1階は本店営業部という形で私どもの支店があるんですけれども、この本店営業部については、この場所にそのまま残していくということを予定しておりまして、いわゆる本社機能のみ、海側に移るということを想定させていただいてるということでございます。従いまして1階部分がかなりのスペースで自由に使えるということでございますので、これから徳山商工会議所のみなさんや周南市の皆さんと何か良い活用の方法があれば、ということで検討をしていきたいということでございますので、皆さま方からも何かいいアイディアがあればですね、ぜひお教えいただければということでございます。駅の直結にもなりますので非常にアクセスもしやすい好立地の場所ということでございますし、コンセプトを四つほど定めておりまして、地域に開かれた銀行ということで地域と共存共栄するという価値観、我々西京銀行は地域の中で生かされてるということでございますので、地域との共存共栄という価値観を実現できる。かつアクセスしにくいというかですね、入りづらいということではなくて、どなたに対してもオープンにこのビルに来ていただけるような形のビルを表現したいと思っております。それから我々の業務効率という観点で申し上げますと、フラットで大きな組織運営を支えるオフィスということでありまして、近時はコロナ禍において進みましたテレワークでありますとか、いわゆる非対面での電話会議やテレビ会議等が行われるようになったということでありますので、そういったファシリティにもきっちりと対応ができるということと、コミュニケーションギャップをできるだけなくすということで、一部本部機能やグループ会社機能が他のビルにあったりしますので、それをできるだけ1カ所に集めたいということであります。それから最近のいわゆるここは5階建てなんですけども、執務スペースが今のところ4階、5階を想定しているんですけれども、階をまたぐとなかなかコミュニケーションが取りづらいというところもありますので、最近多くのビルで取り入れられ始めてるんですけれども、いわゆるビルの中階段というか、階の中央に階段を設けまして、階の上下の移動が比較的しやすいということで、コミュニケーションギャップもなくしていきたいということであります。
それからサステナブルということで気候変動対応ということも含めまして、脱炭素ということも含めまして、できるだけ環境に優しい形のビルを実現したいというふうに思っております。こういったものが一つ、この周南・徳山地区での山口県での環境対応ということのシンボリックな存在になればという期待も込めてということであります。それからBCPの充実ということでございまして、業務継続ができるということを前提にセキュリティーでありますとか災害にも強い設計のビルということを想定しておるということでございます。
竣工の予定は、完成は今のところ2026年の夏ということでありますんで、今から3年後という形になりますけれども、先ほど来申し上げましたように開かれた銀行ということで、できるだけ皆様方から様々なアイディアをいただきながら、皆様方にとって愛されるビルということを実現していきたいというふうに考えているということでございます。
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