MEJAR、NTTデータとクラウド化など協議 参加行拡大も検討へ
2024.04.07 04:50
コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)の横浜銀行と東日本銀行、ほくほくフィナンシャルグループ(FG)の北陸銀行と北海道銀行、七十七銀行、広島銀行(2030年度より利用予定)が参加する基幹系共同センター「MEJAR」は、NTTデータが構築を進めている「統合バンキングクラウド」の利用開始を検討する。
ノウハウなど共有へ
オープン基盤フレームワーク「PITON(ピトン)」のファーストユーザーとして、知見・ノウハウを共有していく。特に、MEJARの幹事行を務める横浜銀は、「NTTデータと協議を進めていくなかで、銀行目線でノウハウなどをオープンにしていく」(小貫利彦常務執行役員)考えだ。システムの運営などはベンダー中心となるものの、「顧客との接点や資金決済など大量のデータを同時に処理する金融機関の事情がある」(同)ためだ。
MEJAR参加行では、勘定系など銀行間で差のない部分は「共通インフラ領域」と位置付け、共同で取り組みコスト削減につなげる。また、人材面では常時、横浜銀では2~3行から出向を受け入れている。期間は1~2年。
BCP対応を深化
京都銀行など13行が参画する「地銀共同センター」とMEJARの共同研究会である「地銀共同センター・MEJARシステム・ワーキンググループ(CMS―WG)」では年1回の総会を開催する。また、横浜銀(MEJAR)と運営行(共同センター4~5行)が代表行となり、四半期に1度の定例打ち合せを開催。さらにオンラインの会議は毎月実施している。
具体的には、勘定系の効率的な運用、サイバーセキュリティ、マネーロンダリング、災害対策、データの利活用など。特に、サイバーセキュリティ態勢の一層の強化を図るために、「CMS―CSIRT」を設置。「勉強会や共同でのセキュリティ対策実現について検討する。また、最近の自然災害などを踏まえ、「BCPやオペレーショナル・レジリエンスについて、もう一歩踏み込んだ議論をしていく」(同)考え。
さらに、データの利活用やAI(人工知能)の活用についても協議する。ただ、AIについてはデータ量の違いもあり、まず各行内で議論し、方向性など共通点を議論する。
参加行の拡大検討
今後の最大のテーマは、30年度のクラウド化への対応。システム関連経費の更なる削減、自前センターの最適化、災害対策環境の実効性の向上をめざす。特に、「統合バンキングクラウド」対応では、MEJAR6行と地銀共同センター13行、計19行(資金量約100兆円)で具体的に検討に着手。
将来的には、NTTデータがいずれも手掛ける「STELLA CUBE」(11行)と「BeSTAcloud」(9行)などが加わり、約40行、資金量約140兆円規模になる可能性もある。さらに、他の共同システム参加にも拡大を検討する。
(一部本文中のMEJARの名称を修正しました。2024年4月7日6:10)
【MEJARの関連記事】
・MEJAR5行、脱炭素で共同アンケート実施
・MEJAR加盟行、オープン勘定系が稼働 共同利用型で初
・地銀共同センター・MEJAR19行、サイバー攻撃対策で協業
・広島銀、MEJAR参加行と連携 サステナ分野を強化
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 金融庁長官に伊藤監督局長 後任に石田総括審議官 局長級以上9人が全員交代
- 横浜銀、分業制でM&A高度化 対応力高め成約3割増
- ふくおかFG、M&Aをビジネスの柱へ 3年後に手数料7割増
- 日銀当座預金、「金利ある世界」で減る地銀 残高動向に業態差
- 証券界、MRFが再注目の兆し 楽天証券は244億円流入
- 金融機関、苦慮する法人口座不正利用 訴訟リスク恐れ尻込みも
- 広島銀、GBA型ファンドラップ商品が好調 残高年100億円増加へ
- 「実績・能力を照らし、ふさわしい」 加藤金融相が金融庁人事でコメント
- あおぞら銀、製販一体でO&D 15人の専門部署設立
- 民間金融機関、口座確認の提携簡素化 7月から新制度始動