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2023/10/18 全銀ネット会見②質疑応答 銀行間の資金決済におけるシステム障害について

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2023.10.19 17:30

配布資料①(システム障害に係る対応状況について)
配布資料②(全銀システム障害に伴うお客さまへの補償にかかる申し合わせについて
※いずれも全国銀行資金決済ネットワークHPに遷移します


(出席者)
辻松雄理事長(中央)/小林健一事務局長兼業務部長(左)/千葉勇一企画部長(右)

冒頭約40分程度の質疑応答から、障害の原因やBCP、今後の対応について


   Q.障害がなぜ起きたのか、原因についてもう少し詳しく。
私ども先週、障害が発生して以来ですね、まずはその障害の原因、真因を突き止めるべくサービス提供ベンダーとともに原因の追究を進めているところでございます。現時点ではまだ途上でございまして、詳細についてご説明できる状況にはなく、申し訳ございません。

   Q.一部メモリー不足との指摘もあるが。
その点も含めまして、現在原因について私どもとベンダーの方で真因の追究を進めているところであります。

   Q.RCについて簡易的な改修のまま銀行間手数料が発生しない状況が続いているが、今後どう処理していくのか。
いまご指摘の通り、これらの障害の対象になっている銀行については、銀行間手数料がゼロという形で電文を送っている状況です。本来、被仕向け銀行に対してお支払いすべき内国為替制度運営費がお支払いできていない状況でございます。これらについては、システム的に各対象となる銀行の件数を把握することができますし、銀行の方でも件数を把握することができます。その件数、種目に応じて金額が変わるのですが、それを事後で計算をして個別に銀行同士で通常の振込電文とは別の形でやり取りをして清算をするということで、具体的な方法については加盟銀行になるべく負荷をかけない形でできないかというところも含めて検証をしております。いずれにしても手段としては、今回のような障害が発生する前から付け替えの電文というのは私どもの機能として具備をしています。それを利用して銀行間で決済をするということでございます。

   Q.RCを計画通りの仕様に更新する時期や、来年1月に更新を検討する金融機関への影響は。
現在はいわゆるゼロ、記入でない方式のプログラム修正を急いでやっているところであります。それが本格対応という形になるものでございます。実際にいつまでかかるのか、プログラム改修しただけでは障害が発生しないか分からないので、当然のことながらデストを行うということになりますし、先ほどお話がございました1月に23へのレベルアップを検討している銀行さんもいますので、そうしますとその方とのリレーションシップが必要になりますし、その方々との相互の通信といったものも必要なりますのでもうしばらく、1月にできるのかどうか検討しているところであります。

   Q.RCを計画通りに戻す時期も分からないということですね。
仰る通りで、現在原因そのものについて究明している段階でございます。それを明らかにしたうえでさらに必要な対処をしていく。それによってほかに不具合が発生しないと確認をしたうえでテストを経てリリースする段取りになりますので、当然早期に対応したいと思っているのですが、その前提となるのは次なるレベルアップ行にもご迷惑をおかけしないというところを確実に確認した後だと思っています。そこをしっかりと対応していきたいと思っているところでございます。

   Q.単純なミスだったのか現時点で分かっていることは。
今回オペレーション的なミス等ではないと思っておりまして、先ほど図でご説明をさせていただいた通りですね、このRCの中でアプリケーションが手数料をチェックしにいく機能ですね。この機能自体は銀行間手数料というのは今も現在動いている23シリーズの前の17シリーズ、こちらでも使っている機能でありまして、そこのところの機能を今回流用してるところあるんですけども、何かそこでおっしゃるような単純なミスがあったかどうかというのははっきりはしませんけれども、オペレーション的な、いわゆるヒューマン的なエラーというものではないとは思っております。
ちょっと補足しますと一応その原因がですね、こういった形でだんだん究明ができておるんですけど先ほどお話があった64bitの話ですとか、それから他に人的なミス、オペレーションではなかったんですけれども、他にその人的なミスがなかったかも含めて、もう一度洗い出しをしてるところです。

   Q.復旧までに2日間かかったが、障害を想定したBCPはあったのか。
今回、まさにその代替対応という形でお示しをして、6ページですね、お示しをしているもの。つまりRCが今回のように使えなくなった事態に陥った場合にはですね、直接私ども真ん中にあるコアタイムシステム、電源システム本体ですけれども、こことですね、RCを使わずにデータをやり取りするというのがまさにBCPの対応でございまして、これは今回のRC 23シリーズへの移行に関わらず、私ども常時RC等々に何かあった場合にはですね、銀行と直接、媒介、データファイルを使った送信をやるということでこれは日頃からですね毎年全加盟銀行に原則として参加いただく訓練というのを実施しておりまして、今回もまさに障害が起きたということで、私ども当日ですねこういった対応に障害行については対応していただこうということで協議をしてですね、いずれかの方法でデータファイルを使ってファイル転送というもので、システム的に送っていただく。もしくは媒体これLTOというものなんですけども、いわゆる磁気テープですね。これにデータを入れて送っていただく。それから各銀行に対して私どもの方から渡すという、これは元々用意していたBCP対応でございましてこれを発動して対応したというところでございます。

   Q.50年障害がなかった中で認識の甘さがあったのでは。
当日はまずは媒体ということで、先ほどご説明申し上げた通り、7ページの最初のところにございます通り、当然のことながら翌日は通常の形でシステム起動できるようにサービス提供できるように復旧に努めたところでありますけれども、今回残念ながらですね、ちょっとこのプログラムがかなり複雑だということで改めてエラーが発生してその対処がですね、翌日までに間に合わなかったというところでありまして。ここがうまくいっていれば復旧できたんですけども、そこが機能しなかった、うまく対応できなかったというところでございまして、そこについてはプログラムの修正を確からしさ、あるいは複雑さですね、当初はやり切れるというふうに思ってたんですけれども、ここがちょっと見込みが甘かったというところはあるかと思う。
50年ですね、一度もオンライン上でですね、お客様にご迷惑を直接おかけするような障害が発生してなかったというところにつきまして、私どもとしてこれからも守っていこうということで日々加盟銀行との訓練ですとか、今回のテストもですね事前準備等々含めてやってきたところなんですけれども、大変残念と思っております。
ちょっと補足をさせていただきますと、プログラム対応は今7ページより小林が説明した通りなんですけども、ご質問のその代替対応が残ってしまったという点につきましてはBCP訓練はやっておったんですけれども、実は先ほどちょっと読み上げさせていただきましたけれども、内国為替制度運営費(銀行間手数料)の欄を実は0円としなければいけないということがございまして、そこは今まで実は皆さんやられたことがないことでございましたので、そのゼロ円設定をするのに時間がかかったというケースもございます。
さらに補足をさせていただきますと、ご指摘いただきました通りBCPの観点は重要な観点でございます。今後、原因究明と再発防止の策定を取りまとめてまいるところでございますが、その過程の中で足元のBCPが実際どうだったのかなどにつきましては、しっかりと検証をですね、行ってまいりたいというふうに思っております。以上でございます。

※(不要)ベンダーに関する質問



   Q.エラーの予見性について、事前の試験などで予期することはできなかったのか。
今回ですねこの試験の過程で今回の件が発見できなかったということ。これについてはですね、私どもとしても今後検証していく上での非常に重要なポイントだと思っておりまして、そこについては今後、テストのあり方を含めて改善すべき点がないかどうかしっかりと検証してまいりたいと思います。

   Q.なぜ予見ができなかったのかの原因を究明しているということか。
はい、その通りです。予見ができなかったこと、それからテストで今回のようなことをあらかじめ拾えなかったというところ、この2点でございます。

   Q.最初から一律0円にしておけば良かったのではとも感じるが、暫定対処の優先順位を決めた経緯について。
私どもとしてはですね当然のことながら、まず目指すべき姿として翌日まずは復旧させること。それもできる限り本来あるべき姿に復帰をさせたいという思いがございます。ですのでまずはそれができないかということで、今回、当日の障害が発生した後に、また提供ベンダーと協議をした結果、それに一番近い形、すなわちテーブルを参照しないものの適正な内国為替制度運営費、これをセットできればですね、先ほどご説明を申し上げたのちのちの付け替え電文で銀行間で資金のやり取りということをすることなく業務を開始できますので、それであればできるんではないかという見込みだったんですけども、結果的にそれが甘かったというふうに考えてます。
そしてそれができない。次の日も同じような状況になっておりまして、これはやはり初日のところについてはなかなかハードルが高いということで、次に優先すべきは一旦その銀行間のところでの追加での対応が必要になるものの、一般の振り込みをご利用いただいているお客様にご迷惑をおかけしないようにするところをまず最優先にしていこうということで、11日はシンプルな形でこれであればいけるというところを見込んで対応したというところでございます。

   Q.試験時にエラーが発生した時点で次の暫定対策に移行する議論はあったか。
おっしゃる通りでございまして、次の日に対処した方法を思いつけばよかったとは思っておるんですが、そもそも10日の障害が発生した後、我々としては未明までこの対処それから試験というのを実施しておりまして、このエラーが発生した時刻自体がかなり遅い時間帯でございましたので、翌日までに次のプラン、まさにプランBをですね、考えて対処するというところまでも含めて、ちょっとその時点では間に合わなかったということ。そもそも次のRCの起動、これも深夜帯、ある程度の通信開始の一定前までには障害が発生していない銀行さんも含めて全体のRCを起動する必要がありましたものですから、8時半までの時間があればもしかしたらというところあるんですが、その早朝のRCを立ち上げる時間に間に合わない時間帯でこのエラー等も発生していたというふうにご理解いただければと思います。
補足をさせていただきますと先ほど小林からも話がありましたけども、どうしてもですねこの全銀システムの場合ですね、日中帯の処理が終わらないと、実際には10時過ぎぐらいになるんですけども、システムのプログラム改修を行ったとしましても、その後の実際の試験といったものをやらないといけないものですから、それが夜中の3時ぐらいまでかかったと。ところが、銀行さんの方では朝の4時から次の日の立ち上げをしなければいけないというようなことがあったものですから、時間がもう既にないということでこの日は残念ながら諦めたということであります。

   Q.今回のシステム障害についてベンダーの責任は。
現時点ではすいません、法的責任について、どこまでが可能かということについてはまだ検討中でございます。そもそものその原因ですね、真因といいますか、それがまだ判明してないものですから、それが判明した後にそういった動きになるということでございます。

   Q.RC更新に際して事前のテストをどのように行い、内容は十分だったのか。
試験につきましては、今回サービス提供ベンダーでありますベンダーさんにおける試験、一般的な流れになるんですけどもまず製造単体試験というのがございます。それに続いて結合試験、さらには総合試験という形でまずは定義を完成していただく。その上で、私どもで今回のこのRC23、これを全銀ネットとして受け入れることができるかという、我々の方として受入試験というのがございます。これがいくつかの試験項目に分かれているんですけども、この試験も分割するとその試験も4種類ほどございまして、そのうち2種類が加盟銀行と接続する試験となっております。最後に受入試験で製品に問題がないだろうということで受け入れを理事長の判断で決定をいたしまして、それを用いた総合運転試験、これは銀行と私ども全銀センターを繋いでですね、一気通貫で運用の部分も含めて問題がないかどうか、これを確認するという総合運転試験は基本今回に関わらず必ずやっておりまして、こういったものを経て今回最終的に移行というところに移ったものでございます。
私どもとしては従前の品質を確保すべくですね、しっかりと取り組んでまいったつもりではあるんでけども、結果的にですね、今回のような重大な障害を引き起こしてしまったということで、改めて今回のその試験の内容や方法について問題がなかったとか、しっかりと検証してまいりたいと考えております。

   Q.事前の試験の中ではエラーは起きていなかったのか。
はい、ご理解の通りです。

   Q.RCで障害が発生した際のバックアップ体制は。
RCに限らず全銀本体も含めてですね、東阪と呼んでいる東京と大阪で必ず二重化しております。いずれかが障害トラブルが発生しても生きているもう片方で業務継続を行うという思想でやっております。ですので、過去いわゆる片系のところで障害が発生するということはレベルを問わずあったんですけども、そこはもう片系で業務を継続することで一時的も含めて全体の業務に支障がないようにやってまいりました。今回もですね、例えば何かハード的な故障であれば恐らくもう一方の片方のRCで業務継続ができたと思ってるんですが、初日の会見で辻の方から申し上げた通りソフトの故障だったということでありまして、両系において同じような不具合が発生してしまったということで、我々が東阪(東京・大阪)を二重化してることのBCPとしての機能というのは、今回のケースでは残念ながら機能しなかったというところです。

   Q.1台ずつ切り替えることによって、今回の事態は変わったのではないか。
ご指摘の通りだと思っておりまして、片系ずつ移行をすれば今回の事態を防げた可能性はあると思っております。今回はRCの保守期限というものが東阪(東京・大阪)同時に迎えるということで、過去もこのような同じような形でやってきたということはあるのですが、東阪を同時にやるという判断・方式自体についても今後検証してまいりたいと思っています。
すいません、一つだけ補足をさせていただきますと、この1系2系とも対応年数と保守期限が同じだったものですから、こういう措置をさせていただいたということでございます。ただ今、小林からも話がありましたけれども、片系ずつできるのかどうかは検討していく予定です。


(不要)障害が発生している部分を特定して対処する判断は妥当だったのか。



   Q.事前の試験でRCだけ落ち場合想定したか。また、銀行側には原因はなかったのか。
RC自体が試験において色々なパターンを当然想定をしております。その試験の中でRCが機能しなくなるというところが起きるのかどうかというところも確認をしてそれが起こり得ないというところを一応私ども試験の中で確認してやっております。ただ、今回のように実際にRCが落ちてしまうということが絶対ないということは言えませんので、それへのBCPということで、代替手段を備えていたというところでございます。
それから2点目のご質問のところですね。これ私ども確かに銀行と接続している部分のものではございますけれども、RC自体は私ども全銀ネットとしてのサービス責任の範囲でございまして、加盟金融機関側には特に責任はないと今のところでは判断しています。

   Q.顧客への補償について具体的な対象や方法は。
補償につきましては本日公表させていただきました資料をお手元にもお配りしているところでございます。まずはですね、加盟金融機関とともに障害によって大変お客様にご迷惑をおかけいたしましたので、その補償にかかる申し合わせを執り行ったところでございます。
基本的には補償の対象というところにございます通り、直接的な、例えばご負担をいただいた振込手数料でございますとか組み戻しをした手数料でありますとか、また入金が遅れたことによります各種費用などについてですね、補償を行うということにしているものでございます。最もですね、こちらにつきましてはあくまで申し合わせというところでございますので、基本的にはですね、各加盟金融機関さんがお客様のご事情に応じてですね、これを踏まえた形でご対応いただくということを想定しているところでございます。

   Q.コアタイムからモアタイムに切り替えるなどの緊急手段はなかったのか。また、10行も被害者だと思うが事務負担や残業などで生じる費用は誰が負担するのか。
一点目につきまして私からご説明をさせていただきます。ご指摘の通りモアタイムシステムにつきましては、不幸中の幸いで特に問題がなく稼働していたということで、実際一部の加盟銀行におかれてはモアタイムを使っての処理というのを実施をされていたというふうに伺っております。ただこのモアタイムシステムというのは一部の種目、つまり通常の1件1件のテレ為替振込しか取り扱うことができないという形になっておりまして、それ以外の給与の振り込みや、あるいはそもそもモアタイムでは当日の振り込みしかできないということでありますので、翌日の振り込み等はコアタイムしか送れないことで、そもそもモアタイムでお送りできる電文が限られてるという制約もあってモアタイムのみで処理を継続するというのは、全体の業務継続という意味ではちょっと取り得ない形になるというところでございます。
あとは最終的な資金決済というところにつきましてもコアタイムが動いていないとできないというところがございまして、その辺りについて(モアタイムは)かなり軽いシステムということで、一定のやはり制約があってですね、今申し上げたようなことでコアタイムを代替するというところまでの機能はないと思います。
続きまして2点目の質問につきまして私の方からご回答申し上げます。まず先ほど補償の件につきましてはお客様のご負担を最優先で検討を進めてまいってきたところでございます。他方でですね、これまでのご説明の通り原因の方はまだ明らかになっていないというところもございまして、まさに法的責任のところにつきましては今後所在につきましては現地で明らかになっていないというところでございます。こうした点が明らかになってくればですね、今ご指摘いただきましたような論点、今後議論になっていくものというふうに思っておりますが、まずはお客様の対応を最優先という形で各金融機関が前面に立って、補償いただくという方針を取りまとめたものとなっております。


 

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2023/10/18 全銀ネット会見①冒頭発言 銀行間の資金決済におけるシステム障害について

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2023.10.19 13:47

配布資料①(システム障害に係る対応状況について)
配布資料②(全銀システム障害に伴うお客さまへの補償にかかる申し合わせについて
※いずれも全国銀行資金決済ネットワークHPに遷移します


(出席者)
辻松雄理事長(中央)/小林健一事務局長兼業務部長(左)/千葉勇一企画部長(右)



辻理事長による冒頭発言
全国銀行資金決済ネットワーク、全銀ネット理事長の辻です。本日はお忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。ご存知の通り、10月10日、11日と私どものシステムのRCと呼んでおります中継コンピュータですけども、こちらの方の不具合がございまして、多くの預金者の方々、金融機関、ならびに関係者の方々に多大なご迷惑、ご心配をおかけいたしました。本日この場をお借りいたしまして、お詫びしたいというふうに思っております。

現在の状況でございますけれども、10月10日、11日と改修いたしましたプログラムをRC(中継コンピューター)の中に組み込みまして、10月12日の営業時間帯、朝の8時半からは通常通り、上り電文、下り電文ともテレ為替通信が行える状況となっております。

しかしながら、この問題につきましては当法人の問題のみならず、我が国におけます決済システム全体の信頼性を揺るがす大きな問題であると私どもは認識しております。このため現在、原因の追究・究明ならびに完全復旧、再発防止策、それから残された問題につきまして、鋭意検討を行っているところでございます。本日は、本日までの状況ならびに今後の対応も含めましてご説明をさせていただきます。

お手元に資料を配付させていただいておるかと思います。右下にページ数がございますので、そちらをご覧いただければと思います。まず2ページ目になります。私ども全銀ネットの概要でございます。こちらに記載の通り、資金決済法に基づく資金清算機関でございます。参加金融機関数、ならびに取り扱い件数等はこちらの下の表に記載の通り、利用金融機関数は1133機関、これは9月末時点でございます。それから取り扱い件数、金額でございますけれども、これは1営業日平均約911万件、約14兆円というふうになっております。これは2022年度の実績でございます。以下、処理能力等も記載してございますので、後ほどご覧いただければというふうに思います。

次に全銀システムの概要でございます。全銀システムはこちらの下の図の通り、平日の日中の処理を行います「コアタイムシステム」と、平日の夜間および休日の処理を行う「モアタイムシステム」、および先ほどからお話をさせていただいております、各金融機関を繋ぐ中継コンピュータから成る形となっております。

先ほど申し上げましたコアタイムにつきましては、1件ごとの振り込みに対応しましたテレ為替と、複数の振り込みを一括で送信するバルクのような形になりますけども、新ファイル転送の二つの機能を具備してございます。それが下の図のところでRCと新F転の端末と書いてあるところでございます。それぞれのシステムにつきましては、東京と大阪で冗長化、二重化しているところでございます。

次に4ページになります。今回の発生事案でございます。10月の7日土曜日から9日月曜日の祝日におきまして、RC(中継コンピュータ)と言っておりますけれども、この新しい新機種、23シリーズと呼んでおります。この公開を14の金融機関で実施いたしました。しかしながら、10月10日火曜日のコアタイムシステム通信開始日であります、8時半以降ですね、10行におきまして公開いたしましたRC、こちらの図で言いますと黄色い部分になりますけども、こちらで電文の送受信ができなくなったという状況でございました。実際にはこちらに記載させていただいております10行で障害が発生したということでございます。

次に現時点で判明しております障害の原因でございます。5ページになります。電文を1件ごとに仕向け機関(発信銀行)から被仕向機関(受信銀行)に支払う内国為替制度運営費(銀行間手数料)につきまして、二つのパターンがございまして、まず①といたしまして、金融機関があらかじめ自行で電文に金額を入力しまして、RCに送信するパターン。自行で銀行間手数料が含まれた電文を作成するパターンと、もう一つ、あらかじめRCに設定されたテーブルを参照して、RCの方で電文に金額を入力するという二つの方法があるわけでございます。

今回はですね、今申し上げました二つ目の方式を採用している10行におきまして、あらかじめRCに設定されたテーブルをRCが参照する処理、こちらの下の図の真ん中にRCというふうに黄色で囲ってある部分がございますけれども、こちらのアプリケーション、これは内国為替制度運営費(銀行間手数料)の入力やチェックをするアプリケーションですけども、これがテーブルを読みに行った際にエラーが生じたということでございます。

右側にございます通り、このテーブルにつきましては事前準備の段階でテーブルを作成しておりまして、こちらのRCの中に展開いたしましたが、残念ながらこの事前準備の段階でテーブル上に一部不具合があったということでございます。なお、先ほど申し上げました、自行システムで電文を作成している銀行、①の方法でございますけども、3行につきましては影響がなかったということでございます。続きまして6ページとなります。

今申し上げた通りですね、そうした障害が発生したものでございますので、今回のRC公開におけます計画に基づきましてバックアップ手段で対応したところでございます。これは先ほどのRCが障害になっているものですから、RCを利用せずにデータファイルや媒体で影響行とやり取りをしたというものです。下の図を見ていただきますと、A銀行からコアタイムシステム、これは全銀センターになりますけれども、そこをRC経由ではなくてデータファイルにつきましては一括して、バルクのような形で新ファイル転送の端末を利用して、全銀センターに送ったということでございます。

それからもう一つ、媒体の持ち込みということでA銀行のコンピュータ内にある計数を電子媒体に落とし込んで全銀センターに持ち込んだというものでございます。この二つのバックアップ手段で対応したということでございます。
ただ、その下の図のところに記載の通り、障害の影響によりまして、内国為替制度運営費(銀行間手数料)のゼロ設定が必要となると通常の想定以上に電子媒体やデータファイルの用意等に時間を要したということもありまして影響を受けました銀行さんの仕向け、発信とする取り引きにつきまして、媒体やデータファイルの用意が間に合わなかった等の理由から当日中に処理が完了しない取引が発生したということでございます。概算の件数は以下の表の通りでございまして、今申し上げました処理が完了しなかった取引というのは、この表の一番下のところの未処理ですね、49万件と38万件の合計87万件ということでございます。

それからですね、私どもの復旧対応でございますが、先ほど冒頭でも申し上げましたけれども、プログラムの修正を行ったということでございます。それで10月10日と11日の2回にわたりましてRCに対するプログラム修正を行っております。

まず初日の10月10日でございますけれども、この右側に記載の通り、あらかじめRCに設定されたテーブルをRCが参照する処理において不具合があったことを踏まえまして、RCのテーブルを参照せずに取引の種類、例えば振り込みですとか、給与ですとか、そうした種目をですね、判別して金額入力する方法にプログラム修正をしたところでございます。

しかしながら、残念ながらこの方法をもってもですね、右の通り、結果の通り取引の種目を判別して金額を入力する回収処理というものはロジックがかなり複雑でございまして、残念ながら夜間の試験時にエラーが発生いたしまして翌日の営業開始日までにはそれが修正されなかったということで断念をしたということでございます。翌営業日のRC起動時刻までの対応が困難であったため、こちらの対応は中断したということでございます。

そして翌日、10月11日でございますけれども、前日の状況を踏まえまして、今度はRCが内国為替制度運営費(銀行間手数料)の入力欄、こちらに0円を一律で入力するシンプルな形に改修いたしまして、銀行間手数料の金額欄を見に行かないというシステムを作りまして、この簡易型のですねプログラム修正によりまして実際にこのプログラム修正をRCに入れて稼働をさせたところ、12日の朝の8時半からテレ為替電文につきましては通常通りの運行が開始できたということでございます。

これにつきましては、結果のところの下の方にアスタリスクがありますけれども、この内国為替制度運営費(銀行間手数料)の金融機関間で受け渡す資金でございまして、これによりまして何か顧客への影響はないということでございます。ただ、銀行さんにおかれましては0円を入力している形でございますので、それぞれの銀行間手数料の決済はまた別の資金付替電文を使って行う必要があるということでございます。

ただそれは銀行間の決済でございますので、お客様の方の入金につきましては影響がないということでございます。私の説明の最後でございますけど、今後の対応でございます。10月13日、先週金曜日でございますけれども、金融庁から資金決済に関する法律第80条第1項に基づきまして、報告徴求命令を受理しております。

本報告徴求命令に基づきまして、本件に関する事実認識、課題認識、障害の発生原因分析、預金取扱金融機関等との連携、システムリスク管理体制に対する経営管理、認識、課題認識、ならびに改善再発防止策等につき、金融庁へ中間報告も含めまして11月末までに報告をする予定でございます。

あわせまして、本件の障害に伴いましてお客様に発生いたしました損害に対する補償の考え方につきまして、本日、全銀ネットならびに全銀協のホームページに全銀ネット加盟金融機関による申し合わせというものを公表させていただきました。今後とも我が国の経済取引の基盤となる決済システムを運営していくということを今一度自覚いたしまして、社会の皆様からの信頼を早期に取り戻すべき全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。


 

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【SNS担当者座談会】座談会編PART3

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<座談会編>
全国から匿名で集まった地銀5行が、日々の取り組みや悩みについてざっくばらんに相談・共有します。座談会編Part3のトークテーマは、「企画検討から配信までの運用体制について」です。

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【金融×〇〇】#建設業(後編)

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後編のテーマは、
・建設業界の景況感や物価高騰対策
・銀行員の目利き力について
・建設業界にとって理想の銀行員像とは
など。

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イマドキ学生には金融界がこう見える!就活生の本音を金融ゼミ教授が徹底解説 -駒澤大学編 第2回-

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2023.10.07 05:00

金融界に新卒を輩出する大学教授がパーソナリティを務める動画番組です。就活を控えたゼミ生のアンケート(本音)をもとに番組を進行。「金融界に興味はあるがよく知らない」といった学生、「優秀な人材がほしい」金融機関の双方に役立つ情報番組です。今回は「駒澤大学編」です。同番組は「学生向け」と「金融機関向け」の各回2本立て(「学生向け」は月曜日、「金融機関向け」は同じ週の金曜日に掲出。更新頻度は2週間ごと)で第5回まで配信。第2回はズバリ!「金融機関で働いてみたいと思いますか?その理由は?」との学生の回答から”イマドキ“の本音がみえてきます。「学生向け」は10月2日からYouTubeで先行公開しています(こちら)。

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【SNS担当者座談会】座談会編PART2

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<座談会編>
全国から匿名で集まった地銀5行が、日々の取り組みや悩みについてざっくばらんに相談・共有します。座談会編Part2のトークテーマは、「運用目的について」です。

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【金融×〇〇】#建設業(前編)

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前編のテーマは、
・建設業界のトピックスや流行
・ビルや倉庫を建てる際の注意点
・取引先から有益な情報を引き出すコツ
・本当に良い建設会社の見極め方
・業界の将来に向けた想い
など。

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イマドキ学生には金融界がこう見える!就活生の本音を金融ゼミ教授が徹底解説 -駒澤大学編 第1回-

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2023.09.22 16:42

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ちょっと一言 ジャズピアニスト・松岡杏奈さん

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8月にニッキンONLINEの「ちょっと一言」で紹介した、ジャズピアニスト・松岡杏奈さんのインタビューを動画で紹介します。(ニッキンONLINEの記事はコチラ


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2023/9/19 金融庁 損害保険ジャパンとビッグモーター社への立入検査の様子

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【SNS担当者座談会】座談会編PART1

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ニッキンONLINEの記事でも紹介した、「金融機関のためのSNS担当者座談会」。プレミアム動画では、座談会当日の様子を5回シリーズで公開します。前回の講演編(約44分)に続き、今回からは計4回にわたって座談会編をお送りします!(ニッキンONLINEの記事はコチラ


<座談会編>
全国から匿名で集まった地銀5行が、日々の取り組みや悩みについてざっくばらんに相談・共有します。座談会編Part1のトークテーマは、「運用体制について」「負担感について」「ネタ集めについて」です。

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【SNS担当者座談会】 講演編

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講演者:ホリプロデジタルエンターテインメント社長 鈴木 秀 氏
テーマ:今銀行業に必要なSNSの知識とは
日時/場所:2023年8月24日/ニッキン本社

2回目以降は座談会の様子を配信します。