フィンテック経営者に聞く㉕ READYFOR・米良代表

2022.10.30 04:55
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READYFOR

寄付・購入型クラウドファンディング(CF)のREADYFORは、2011年3月に日本初のクラウドファンディングサービスを開始した。14年7月に株式会社化し、15年から東北を中心に90近くの地域金融機関と提携している。22年7月までに約2万件のプロジェクトを手掛け、累計支援額は約280億円、支援者は約100万人に上る。米良はるか創業者兼代表取締役CEO(35)に今後の展望などを聞いた。(22年7月に第一生命保険などから総額17億円の資金調達。累計調達額は約33億円)



サービスの概要は


「公益的な活動を行う実行者が資金を寄付金として受け取り、支援者は寄付金控除とお礼の手紙などを受け取れる寄付型と、実行者が資金を受けた代わりに支援者にリターンを提供する購入型の2種類のクラウドファンディングを扱っている。プロジェクト公表に当たっては、『実現性』『適格性』『適法性』の三つを重点的に審査する。募集期間中に支援された総額が目標金額を超えた場合に資金を受け取れる。目標金額の基準としては、実行者に活動を実現するための必要最低金額を記入するように推奨しており、銀行融資で不足する部分を補う活用法もある。目標金額の達成率は75%で、他のクラウドファンディングの20%と比べて高く、達成した際に手数料(フルサポートプランは17%、シンプルプラン12%)をいただいている」



実行者と支援者の属性などは


「実行者は社会性が高い課題を抱えた方々が多く、4割がNPO・任意団体、3割が個人、残りの3割が企業となっている。プロジェクトの内容は、医療機関、大学の臨床研究・基礎研究の費用や、神社仏閣の維持費用、博物館やJリーグ、鉄道プロジェクト、動物園の運営費用などだ。コロナ禍前の平均単価は100万円だったが、コロナ禍後は200万円と増加している。支援者は個人が中心で、男女比は半々、30~50代が多い。支援額の上限はなく、1人で1000件近くのプロジェクトを支援している個人もいる。一つのプロジェクト当たりの1人の支援金額は1000~3000円。今までに最も支援金を集めたのは、21年4月からスタートした、新型コロナウイルス感染症の拡大防止活動基金で、2万人以上から約8.7億円を集めることができた」



地域金融機関とクラウドファンディングは相性がいい


「直近の地域金融機関との取り組みとしては、コロナ禍で拝観料が減少し、苦境に立たされた法隆寺の維持管理の費用を募集するクラウドファンディングがある。地元の南都銀行に法隆寺と当社の橋渡し役を担っていただき、結果として7400人超から1億5000万円を上回る調達を実現した。他の金融機関からも日常的にプロジェクトを紹介いただいており、当社のクラウドファンディングで集めた資金を実績とみなして、金融機関の融資につながった事例もある」



※本シリーズは随時配信しています。過去の記事は下記からご覧いただけます。


①Siiibo証券・小村代表取締役 


②Crezit・矢部代表取締役社長


③ビットバンク・廣末代表取締役社長


④ネットプロテクションズ・柴田社長


⑤400F・中村代表取締役CEO


⑥Opn・長谷川CEO


⑦JPYC 岡部代表取締役


⑧トリニティ・テクノロジー磨代表取締役CEO


⑨ KAERU・岡田代表取締役


⑩ Fintertech・武田社長


⑪ クラウドローン・村田代表取締役


⑫AGE technologies・塩原CEO


⑬ Lecto・小山社長


⑭ IB・井藤CEO


⑮ ペイトナー・阪井社長


⑯ スマートプラス・小林代表


⑰ GIG-A・アリキヴィCEO


⑱ベター・プレイス 森本社長


⑲イークラウド・波多江代表


⑳シンプルフォーム・田代代表


㉑Kyash・鷹取社長


㉒Kiva・野尻代表


㉓シャトル・見原代表取締役


㉔ビー・インフォマティカ 稲田代表

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