大和総研、懇親はビール片手に米国流で 〝縛られない〟交流会試行
2023.09.17 04:50.webp)
「乾杯」や「締め」はなく、出入り自由――。大和総研は今夏、米国流の〝縛られない〟懇親会を定期的に開いている。コロナ禍で希薄となったコミュニケーションを復元する機会を設け、「タテ」と「ヨコ」の連携を強め、スピード感ある顧客提案につなげる狙いだ。
「ビアバッシュ(Beer Bash)」。お酒や軽食を手にビジネス的な交流を深める、米IT企業が生んだ新たな懇親スタイル。大和総研は6月、「米国流」の懇親会を試行的に取り入れた。本社と永代オフィスの両拠点で6~9月に月1回開き、丸の内オフィスと大阪淀屋橋オフィスでも9月に実施する。
終業直後の夕刻、仕事を終えたり区切りがついたりした社員から順に懇親会場へ足を運ぶ。多いときで200人以上が集まる。顔ぶれは、望月篤社長など役員から新入社員まで幅広い。同社は「リサーチ」「システム」「コンサルティング」など部門が違えばオフィスが異なる場合があり、普段は出会いにくい部門間の人材が交流できる。「顔を突き合わせてコミュニケーションを取る重要さを改めて感じてもらいたい」(望月社長)という。
新スタイルの懇親会を試みた背景には、コロナ禍による社内交流の急減がある。大和証券グループが定例的に実施する「エンゲージメントサーベイ」では、「コミュニケーション機会の減少」が共通の課題として浮かび上がった。特に、IT企業としての色合いが強い大和総研は、他のグループ会社に比べて在宅勤務率が高く、より差し迫ったテーマだった。
顧客のニーズは高度化し、コンサルタントがビジネスモデルの課題の指摘などに終始する提案には限界が迫る。システム面の具体的なソリューション提供が顧客ごとに求められる。社内の立場や部門を超え、スピード感ある密な連携が、差別化戦略に不可欠な経営環境になっている。
上司と部下や他部署とのつながりが弱まるなか、望月社長は「気軽にコミュニケーションの取れる環境をどう再構築するかは大きな経営課題」とし、「米国流」の打開策に期待する。
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