宮城第一信金、北門信金から伊藤氏招き勉強会 コロナ後の伴走支援学ぶ

2022.12.18 05:00
人材育成
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卸売業者を例に事業性の見極め方を説明する伊藤・北門信金企業支援室長(12月17日、信金中金東北支店)
卸売業者を例に事業性の見極め方を説明する伊藤・北門信金企業支援室長(12月17日、信金中金東北支店)

宮城第一信用金庫(仙台市、菅原長男理事長)は12月17日、企業経営支援のスペシャリストとして知られる北門信用金庫(北海道、大矢美智幸理事長)の伊藤貢作・企業支援室長を講師に招き、仙台市で勉強会を開いた。アフターコロナを見据えた企業の伴走支援を強化するために企画したもので、会場の信金中央金庫東北支店には、80人が参加した。


日本政策金融公庫仙台支店、宮城県信用保証協会などと共催し、2部構成の地域金融セミナーとして開催。地元の中小企業を支援するため、金融機関の枠を越えて開いた。


勉強会のテーマは、「地域信用金庫における企業支援を考える」。伊藤氏は、建設会社などで勤務した後の2010年、北門信金に入庫。数多くの事業再生や企業支援を手掛け、21年4月から1年間、島根銀行で、22年10月からは筑波銀行で外部アドバイザーを務める。


勉強会で伊藤氏は、コロナ禍における企業の状況を「コロナ『でも』儲けている企業」「コロナ『で』非常に苦しい企業」「コロナ『だから』生き残れた企業」に分けて解説。地方の卸売業者を例に、事業性や継続力の見極めポイントを説明し、「斜陽産業だから」と決めつけずに、「待てる」「分ける」「運べる」といった機能面や後継者の有無などからも見ることの重要さを説いた。


また、コロナ後の企業支援や再生の課題として、売却できる不動産が企業になかったり、経営者保証ガイドライン上に不安があったりするなどの「制度の課題」、金融機関と企業の間における見方や感覚の違いなど「目線の課題」、企業支援に向く人材についての「人材・組織の課題」を挙げた。


菅原理事長は、「企業の見方と目利きの感覚が違っていたことが分かった。審査の考え方など、今後の企業支援について、見直すきっかけになった」と話した。


セミナーの第1部では、共同通信社の橋本卓典・編集委員が「未来の地域金融」をテーマに講演を行った。

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