上場地銀、PBR二極化傾向 5年比上昇幅は群馬銀トップ
2025.04.23 04:40
上場する地域銀行・グループの株価純資産倍率(PBR)の二極化傾向が強まっている。2025年3月末時点の上位10行・社の平均PBR0.75倍に対し、下位10行の平均は0.23倍と5年前に比べて乖離が広がっている。関東圏を地盤とする銀行や、経営統合に積極的な銀行グループの上昇が目立つ。マイナス金利解除により、市場の成長性や規模が、より評価に加味されているようだ。
東京証券取引所に上場する地域銀68行・社(じもとホールディングス除く)のPBRをニッキンが集計した。(詳細はニッキンレポート4月14日号)。2025年3月末の平均PBRは5年前の0.24倍から0.43倍に上昇した。
3月末のPBRトップはコンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)の0.88倍、2位は千葉銀行の0.85倍、3位はスルガ銀行の0.84倍だった。
5年前比で上昇幅が最も大きかったのは群馬銀行で0.25倍から0.83倍になった。コンコルディアFG、スルガ銀、千葉銀は、改善幅でも上位4位内だ。
一方、下位10行の平均PBRは0.17倍から0.23倍への上昇にとどまる。全10行が独立路線を堅持しており、うち8行が関東以外に本店を置く。
ピクテ・ジャパンの大槻奈那シニア・フェローは、「人口減少や産業衰退などに直面する地域銀は収益性を高めにくい」と指摘。さらに、「金利上昇局面でもPBRが低位に推移する銀行は再編による立て直しも視野に入る」との見方を示した。