個人の物価観、1年前から「上がった」96%超 見通しも一段高 日銀調査

2025.04.11 15:35
金融政策 景気
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身の回り品の相次ぐ値上げによって、家計の物価観が高まり続けている。日本銀行が4月11日に公表した定例の世論調査(生活意識に関するアンケート)では、足元の物価が1年前から「(かなり)上がった」とする割合が96%を超えた。比較可能な2006年以降のピークをつけ、足元や先行きの物価上昇率に対する認識も最高水準となった。


同調査によると、現在の物価に対して「(1年前から)かなり上がった」とする回答が全体の73.7%に達し、前回(2024年12月)調査から4.5ポイント上昇。具体的な上昇率の回答(平均値)も、「(年率)19.1%」と前回から2.1ポイント高まった。


先行きの物価見通しも一段と高まり、「1年後」の上昇率は「12.2%」と前回から0.7ポイント上昇。「5年後」も「9.6%」と0.4ポイント切り上がった。


「(かなり)上がる」とする回答割合は全体の80%を超す状況が続き、判断理由として「最近の物価が上がっているから」との回答が81.7%(前回と同水準)と最多だった。食料品や日用品の価格上昇が個人の物価認識を押し上げている。


景況感は悪化した。「(1年前と比べると)悪くなった」との回答は、64.4%(前回は59.8%)に達し、「良くなった」とする割合を差し引いたDIは、マイナス59.8ポイントと前回から3.9ポイント低下。先行き(1年後)は、マイナス37.1ポイントと横ばいだった。

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