銀行・信金、新卒内定者17%増 7割が23年度実績上回る
2023.10.12 04:50
銀行・大手信用金庫の2024年度の新卒内定者数が、23年度新卒採用実績に比べ17%増加したことが分かった。10月1日時点で合計約1万2000人を確保した。20年度の採用数と同水準で、採用意欲がコロナ禍前に戻ってきている。
本紙が大手銀行・グループ(G)や地域銀行・G、大手信金(7月末時点の預金量上位50信金)を調査し、154先から回答を得た。
23年4月の入行庫者数を上回った機関は、7割の106先に達した。売り手市場を背景に母集団形成は厳しかったが、採用選考の前倒しやオンラインを活用した広報活動、初任給の大幅な引き上げなどの取り組みが奏功した。
増加数が最も多かったのは、りそなホールディングスで322人増の702人を確保した。既存の営業活動に加え、非対面の新ビジネスなども担う人材を獲得したという。次いで三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ(FG)、横浜銀行が増やし、増加数はそれぞれ100人を超えた。
みずほFGは、支店業務や本部の企画部門などを担うカスタマーサービスプロフェッショナルコースやITシステムコースを24年度に新設し、多様なキャリアパスを用意した。
デジタル専門人材の囲い込みは地銀でも活発化している。千葉銀行はデジタル戦略の推進や、将来エンジニア職での活躍を見込む人材を24人獲得。理系学部出身者を確保する動きは続いており、静岡銀行が15人、七十七銀行は10人、常陽銀行は8人採用する予定。
多くの金融機関は、人員構成のボリューム層である50代の定年退職が迫る。若手の早期離職も目立ち、人材確保は喫緊の課題だ。ただ、急激な採用増はOJT負担を増やしかねない。現場教育以外の選択肢を含め中長期的な育成体制の確立が欠かせない。
(詳細はニッキン10月13日号に掲載)
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