近畿地区金融機関が内定式、金融環境は変化　学び・成長続けて

近畿地区金融機関で10月2日、2024年4月採用予定者の内定式が行われた。以前の集合形式に戻り、マスク着用も自由化され、マスク姿無しでの開催となったところや昼食を一緒に調理し親睦を深めた先もあった。

京都銀行は、同行金融大学校桂川キャンパス（京都市南区）で開催。内定者は昨年より27人多い182人（男性90人、女性92人）。羽渕完司取締役は、内定式当日に持ち株会社「京都フィナンシャルグループ」へ移行したことを踏まえ、「今日は京都銀行にとって大きな節目となる。京都銀行グループは、これから非金融分野も含めた様々なサービスを展開する〝総合ソリューション企業〟になります。皆さんが活躍するフィールド、やりたい仕事はこれまで以上に広がり、なりたいと思える将来像が必ず見つけられます」と挨拶した。

滋賀銀行は3年ぶりに、しがぎんホールで内定式を開催。内定者は128人。西藤崇浩専務は現在の中期経営計画に触れ、同行が目指す姿を「サスティナビリティデザインカンパニー」とし、「従来の伝統的な金融仲介業から、地域社会やお取引先の課題をビジネスの起点として解決に取り組む課題解決型金融情報サービス業へ進化することを目指す」と語った。また、アップルの共同創業者スティーブジョブスの言葉を引用し、「人生で一番後悔することは、やらなかったことだと思う」とチャレンジすることの大切さを訴えた。　

関西みらいフィナンシャルグループ（FG）は、「りそなグループ内定セレモニー」を同グループ大阪本社ビルで開催。内定者数は関西みらい銀行が101人、みなと銀行が69人。同FGの西山和宏社長は「3点をお伝えする。一つは『学びを続けよう』。二つ目は『地域への思いを持ってほしい』。三つ目は『皆さんの若さに期待する』。私はこの会社を若い人たちが理想を持って生き生き働き、自分の意見をどんどん言える会社にしたい。皆さんの感性、発想力、行動力に大いに期待している」と話した。

京都信用金庫の榊田隆之理事長は、内定者50人を前に「お金を融通するだけではなく、お客さまや地域の課題を解決することが私たちの仕事。課題解決の仕事は人間にしかできない」と、同信金の理念を話した。内定式終了後は、共創施設「QUESTION」の調理スペースで内定者と理事長以下出席役職員らが一緒にカレーを調理。慣れない手つきでニンジンやじゃがいもを切る学生や役員を手伝う学生の姿もあった。

京都中央信用金庫は、112人が内定した。白波瀬誠理事長は、昨年設立した地域商社「京都アンプリチュード」を活用した伝統産業の新たなビジネスモデル創出への取り組みや、4月に設立した新しい学びの場・企業内大学「京都中信コーポレートユニバーシティ」について説明。「自らが学び・成長することにチャレンジし続ける職員になってください。人間ならではのクリエイティブなスキルや行動力の発揮を期待します」と訓示した。

大阪シティ信用金庫の内定者は65人（男性26人・女性39人）。髙橋知史理事長は「来年4月に入庫されたら、地域の皆さまに信頼され、地域の事業所を支えるために頑張ってください。当金庫の経営理念は『三者共栄』、スローガンは『信頼で地域とつながる大阪シティ信用金庫』。入庫後に研修などで学ぶが、こういう金融機関があることを理解してほしい。当金庫は色々なことにチャレンジできる職場。残りの学生生活を充実したものにしてください」とエールを贈った。

大阪信用金庫は、内定者84人（男性33人・女性51人）が出席。髙井嘉津義理事長は「コロナの3年間を自分なりに整理して、これから自分というものを出してほしい。社会や地域に向けて出してほしい。そのための残りの半年間を自分の再発見のため有意義に過ごしてください。また、『人のために何かをしたい』『人の役に立ち、自分を高めていきたい』という思いを常に持ってもらいたい」と激励した。