三井住友信託銀、東北大と共同出資会社　研究から新事業創出

三井住友信託銀行は5月23日、東北大学と共同出資会社「東北大学共創イニシアティブ」を立ち上げたと発表した。国立大学が民間企業との共同出資で子会社を設立するのは国内初。同行が持つ企業や投資家とのネットワークを大学の研究につなぐことで資金循環をつくり、社会課題を解決する新たなビジネスを創出する。

新会社の設立日は4月28日。出資金は1億円（資本金5000万円、資本準備金5000万円）で東北大が85.1％、三井住友信託銀が14.9％を出資した。仙台市本社と東京オフィスを設置する予定。半導体や量子など東北大が強みを持つ先端研究などのビジネス化を促進する産学官金のハブとなることを目指す。

同行は事業化に向けて投融資を行うほか、課題を抱える取引先企業や投資家を結びつけ、資金面で不安を抱える大学ベンチャーに対して長期・安定的に資金を供給し、ビジネス機会の創出につなげる。ファイナンス支援だけでなく、事業開発サービスや事業化に必要な人材育成サービスも展開する方針。

両者は2月に技術と資金をつなぐ連携協定を交わし、人材交流などを行っていた。