宮崎銀など、デジタル人材を育成 産学官金連携で教育啓発
2023.05.12 21:08
宮崎銀行と宮崎県、宮崎大学などは5月12日、「宮崎県デジタル人財育成コンソーシアム」を設立した。産学官金で連携し、デジタル技術に関する教育や普及活動を行い、県の持続的発展と地域創生に貢献していく。
宮崎県は若者の県外流出が多く労働世代比率の低下が課題となっている。社会基盤を維持し、県の魅力・価値を最大化するにはデジタル技術活用による効率化などが不可欠だが、現状ではデジタル人材が活躍できる職場が不足し、技術者が県内に定着しない状況にある。
コンソーシアムでは文科省の補助金事業を活用しながら、県内企業の職員にリスキルプログラムを提供していく予定。県内に工場を持つDX先進企業や大学のDX設備でデジタル技術に触れたり、デジタルリテラシーを学んだりしてもらう。検討段階だが、10月から県内4社を対象に教育活動を始める方針。学生を対象に、県内でのデジタルを活用した将来の働き方をイメージしてもらうイベントも開催する。
事務局は大学内に置き、参加する各組織からのメンバーで構成する運営委員会が施策を推進する。会長は同大の鮫島浩学長、副会長には同行の杉田浩二頭取と旭化成の工藤幸四郎社長が就いた。県内に拠点を持つIT企業デンサン(宮崎市)とイー・アンド・エム(東京都)の2社を加えた計5組織を正会員としてスタート。宮崎県は特別会員の位置づけ。将来的には県内市町村や商工会議所などとも連携し、会員数を増やしていく。同大によると、DX推進を目指す産学官の合議体は他県にもあるが、人材育成を主眼にしたものは全国的にも珍しいという。
同日、コンソーシアム設立のための協定締結式に参加した杉田頭取は、デジタルとリアルが融合した金融サービスの提供を目指していると説明したうえで「実現には専門人材の確保が重要だが、宮崎は特に厳しい状況にある。地元企業の人材確保を支援するためにもメンバーで協力して取り組んでいく」と意気込みを語った。
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