サミット閉幕 広島金融界は世界へのPRに協力
2023.05.21 18:005月21日、広島市で3日間にわたり開催されたG7サミット(主要国首脳会議)が閉幕した。懸念される世界情勢について、岸田文雄首相は「被爆地である広島へ各国首脳が集まったのは意義あること。核のない理想の世界を目指していきたい」と述べた。
サミットで採択した首脳宣言では、世界経済の見通しを「不確実性が高まるなか、引き続き警戒し、マクロ経済政策において機動的かつ柔軟である必要がある」と指摘。財政政策は引き続き、グリーンおよびデジタルトランスフォーメーションに必要な投資を促進する姿勢を表明した。
ゼレンスキー・ウクライナ大統領も電撃来日。21日、ゼレンスキー大統領がG7首脳とウクライナに関するセッションを対面開催した。
広島銀ともみじ銀 復興から現在・未来伝える パネル展で発信
サミットは広島を世界へ発信する好機。広島銀行ともみじ銀行は、サミットに合わせて開催中の「Pride of Hiroshima展」(ひろしまゲートパークで5月18日~6月11日)に協力している。広島の戦後復興から現在と未来への取り組みを世界に発信する。
両行ともパネルを展示。広島銀は「日本銀行旧広島支店内で血の付いたシャツや包帯姿のまま‥‥拇印と念書のみで支払いに応じた」、もみじ銀は「後の調査で、二重払いや騙されたと思われるものは1件もありませんでした‥‥役職員一同感得した」との記録を、当時の写真とともに掲示。「被爆2日後の8月8日から営業を再開しました」(ひろぎんホールディングス)と金融機関としての使命を果たした尊い姿を伝える。
もみじ銀は、無尽の抽選くじ箱と「千両箱」と明記された集金箱も出展。無尽は昭和初期や戦後、各戸を巡回し掛け金を集金。会場を設けて1口ごとに抽選して、すべての加入者に金銭などを給付した。
両行はサミットを盛り上げる取り組みをほかにも実施。ひろぎんHDは本社ビル1階でG7各国の旗を掲揚する常設展や食文化を発信するイベントを開催。もみじ銀は本店にサミットの懸垂幕を設置した。
県産食材を世界へ 信金界が県と連携
広島県は県産農水産物の魅力を発信するため、「おいしい!広島」プロジェクトを展開する。サミットで訪れる関係者が広島の食材を口にする機会を増やそうと、地元食材を活用する飲食店約200店を「おいしい!広島 食べんさい店」として登録した。22年12月、県は生産者と飲食店のマッチング事業をしんきん地域創生ネットワーク(しんきん地域ネット)に委託。県内4信金(広島、呉、しまなみ、広島みどり)もマッチングに協力する。
広島市内で2月28日に開催された第1回試食商談会には4信金取引先約30人を含む232人の飲食店経営者らが来場。県内生産者49社とマッチングした。プロジェクトはサミット閉会後も続き、6月1日の第2回商談会には、62社の生産者が参加する。旬の食材をバイヤーに紹介し、メニューに加えてもらえるように後押しする。しんきん地域ネットのマッチングアドバイザー5人が、バイヤーをリスト化して希望を集約。信金職員とともに生産者との成約に向け伴走する。
広島県農林水産局販売・連携推進課の伊藤美佐課長は「信用金庫をはじめ各金融機関の協力はたいへん助かっている。県産食材を使用する飲食店を一緒に増やしていけたら」と期待する。
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