取引先を支援したい
経営を強化したい
動画一覧
プレミアム記事
産業別動向記事
金融関連計数
シリーズ一覧
サステナビリティ
信金・信組等
2024.04.09 05:10
この動画はプレミアム会員限定です。登録すると動画をご覧いただけます。
【番組内容テキスト表示(以下)】
~協同組織金融の人的資本経営~
『第2回 求められる将来像』
皆さんこんにちは。日本大学の長谷川と申します。
それでは第2回「求められる将来像」についてお話したいと思います。将来像に触れる前に、前回の続きといたしまして、どのようなビジネスモデルがふさわしいのか、あるいは人的資本経営体制が求められているのかについて、少しお話してから求められる将来像についてお話したいと思います。
前回、最後の方でお話しましたように、トップによる体制整備が必要だということで、決して”人事ごと”ではないということ。2つ目はですね、外部資源の活用、これは金庫、組合によって様々だと思いますけれども、いざやろうというときになかなかそうした資源が内部にない。つまりですね、人的資本投資を組み立てていく、人的資本経営を実行していくための体制を整えるために、なにかしらの人的な外部資源が必要になってくるのではないかということです。
3つ目は、内部資源の知識の可視化です。可視化されていない職員、役職員の様々な知識とか知恵をできる限り「見える化」していこうと、そうでないと、どういった投資をしたらいいのかということは非常に曖昧になってしまう。簡単に言うと、慣習でやってきたこととか、習慣でやってきたこと、それから口承伝承で口から伝えられているだけで、文書に残ってないような様々なビジネスの仕方、特に現場にたくさんあると思うのですけれども、そういうのもできる限り「見える化」していく必要があろうかと思っています。
4つ目はコストの観点から、内部講師で人的資本投資をしていこうというふうに誘われがちになってしまうのですが、そうしたことをすることによって内部職員の機会も奪ってしまう可能性があります。ここはバランスの考えどころだと思います。
内部講師が必要なところもあるでしょうけれども、ぜひ投資という観点を持っていただいて、外部講師とか外部資源を活用しながら研修をしていくということも、依然として重要であるということを少しお考えになっていただきたいと思います。
それでは求められる将来像についてお話をしたいと思います。簡単に職員がどういったことに携わっていくのかというのは、一言でいうと対話型の組織というものがこれから求められてくる。そのための人的資本投資になるだろうと考えております。
対話という言葉は非常に簡単に捉えがちなのですけれども、対話というのは公平な関係において、自由に様々なことを発信するという意味で、会議ですと決めなければいけないわけです。でも、対話は決める必要がない。そうした対話環境の中では、様々な知恵とかが生まれてきたり、情報が伝わったりするというふうに考えております。
ある金融機関では、対話型組織を実現するためにですね、全員「さん付け」で呼ぶ。そうすると、無意識のうちに人間の関係がある程度フラットになる。支店長でも「さん」で呼ぶし理事長でも「さん」で呼ぶ。こういったことを作り出すと今まで言えなかったようなことが自然に口から出てくる若い職員の人が出てきたりとかするわけです。そういった事例も出てきておりますので、ぜひこれはお考えいただきたいと思います。
そのシーンをここでは3つに分けておきました。社会という人がいるわけではありませんけれども、社会とどういうふうに公平な対話をしていくか。それはもう皆さん実行していますように、社会的責任とか、その一部で清掃活動をしたりとか、あるいは小学校に金融教育をしたりとか、いろんなことをされていると思いますけども、それはまさに社会との対話の結果として出てきたわけです。まさに公平な関係だからこそ、出てくる話だと思います。
2つ目はメンバー同士の対話。メンバーは残念ながら、隣は何する人ぞとなっています。ここでのメンバーとは何かというと信用金庫では会員ですし、信用組合でしたら組合員になるわけですけど、会員同士、組合員同士が会話をしているかというと、残念ながら限られた、例えば旅行の会とか、経営者の会とかゴルフの会では、お互いに話し合っているかもしれませんが、かなりこれはもう部分的なわけです。
信用金庫、信用組合にとっての経営資源である会員、組合員の関係が希薄だというのは、なかなかもったいないと一言で言ったらそう考えると、この対話を促していく必要があるとね。3つ目はですね職員同士の対話で職員同士の対話が一番うまくいった組織形態のことをティール組織という言い方をします。
お時間がございませんのでぜひ、本屋さんで、ティールというような本は、もう数冊出ておりますので、ぜひ立ち読みでも結構ですので眺めていただくと、こういう組織なのだということがおわかりだろうかと思います。
さて、そうした組織を目指す中で、ちょっと難しい概念を、一言だけ入れさしてください。求められる将来像として、価値共創これはどういうことかというと、今までは、信用金庫、信用組合が組合員会員にサービスを提供して、組合員会が満足するという、どちらかというと、一方通行的な関係だったのです。
最新の理論研究それから実証研究によりますと、どうも消費者とかお客さんは自分たちで価値を作り出して満足しているのではないか。このいい例が、水を例に取ると分かるのですが、水が供給されるときに、例えば500mLが100円で売っていたとします。その水の価値は100円なのかと考えますと、もし顧客、消費者が真夏のときにその水を飲んだら100円以上の価値が生まれてくるわけです。ところが、真冬のときにその水を飲んだら100円以下の価値になってしまうわけです。
そうしますと水の価値を決めているのは誰かとなると、供給業者なのかなと今までほとんどの人が常識として思ってきたわけですけれども、どうもそうではなくて、どちらかというと消費者の方が主体的に作っていく。供給者はもうコントロールできないわけですね。こういった事例は実はいろんなところであって、しかも気づかずにそのままきたわけですけれども、新しい研究成果というのはどうも価値を作り出しているのは何も供給側だけではなくて、消費者の主体的な活動、行動が作り出しているのではないかと、それを協同組織金融、信用金庫、信用組合に当てはめたらどうなるかというのが価値共創の考え方です。
もっとぼんやりと言えば、一緒に価値を作り出していきましょう。そのための方策を考えていきましょうというのが、新たなご提案でございます。そういう意味では、「見えないニーズと気づき」という資料を見ていただくとお分かりの通りですけれども、顧客が意識していないニーズとか、それをなぜによって発掘してそして最終的には顧客に気づいてもらうというような考え方も価値共創の一部になってきます。
まとめといたしまして、「求められていることが変化している」ということにこの第2回の一端をまとめることができるのではないかというふうに思っています。今まで、「モノ」が交換される「モノ」そのものに価値があるように見えたわけですけれども、実は「コト」、どういう経験をしたかということに価値の比重が移ってきているのではないか。しかも、それを作り出しているのは供給者、金融機関側だけではなくて、顧客、この場合は会員、組合員も主体的にこの「コト」という価値を作り出す主体であるというところが第2回のまとめになろうかと思います。
第3回では職員の能力について触れていきたいと思います。
2024.04.06 04:50
『第1回 人的資本の背景』
今回は協同組織金融の人的資本経営ということで、5回にわたってお話をしたいと思います。まず第1回目として、人的資本経営の背景について資料を見ながらお話を聞いていただければと思います。
まず5回にわたってどういう資料を使ってお話をしているかということですけれども、さまざまな政府機関並びに民間団体が同様の資料を使いながら、人的資本経営について話をしています。そこでどういった資料かと言いますと、人的資本経営に関する指標を公開しているいくつかのスタンダードがあります。それがお手元の資料にございますようなISO(国際標準化機構)とか、それからJRI(オランダの非営利団体)、ESRS(欧州サステナビリティ報告基準)、FRC(英国財務報告評議会)、他にもたくさんありますし、特に多分皆さんが入手しやすいものとしまして、政府が発行しているような資料もございますので、人的資本経営というキーワードで検索エンジンをかけていただければ、資料につきましては簡単に集まると思いますし、各種の経営団体もこうしたことを公表しておりますので、見ていただければと思います。それでは早速背景について見ていきたいと思います。
人的資本の背景というのは、端的に言いますと、人的資本、つまり人に投資することというのはどちらかというと利益を押し下げる要因として見られてきた。つまり例えばですけれども、研修のコストをとってみてもまさにコストでしかないわけでして、これが投資というふうには考えづらかったわけです。
そういうわけで、経営の中心というよりもどちらかというと脇役的あるいはむしろ無視されてきた存在でしかなかったと言えます。信用金庫、信用組合においても職員に対して、充分な研修時間の確保あるいは研修のメニューの多様性とか、そういったことに配慮して経営を行ってきたかといいますと、どちらかというと寂しい限りだったのかもしれないということを反省に置いた上でお聞きいただきますと、今の背景の話が少しピントくるのではないかと思っております。
まずよく言われているのは、このESGの「S」の部分で、これが職員の人的資本に関わる部分ですけれども、それと株価に何かしらの関係があるのではないか。端的に言うと、人的資本投資をすると、株価が上昇するのではないかというような考え方が一つあります。
2つ目は、物的資本から知識資本という考え方に変わろうとしているわけです。これは皆さんご存知の通りで、知識中心の時代にやってきたのだという流れにまさにぴったりなわけです。
3つ目はイノベーションの時代ということです。いつの時代も不景気になるとイノベーションと言い出すわけですけれども、まさにイノベーションを起こすのは人でありまして、改めて本質を見ていくと、どうも「人に投資する」ことが見られるようになってきたのではないかということです。
4つ目は「マインドと精神」ということで、従業員、職員のマインドとか精神について、あまり経営の中では、もちろん気にしない経営者は1人もいないわけですけれども、マインドと精神というものについてどういうふうに育てていったらいいのかとか、形成していったらいいのかというのは、どちらかというとスキルが研修の陰に隠れてしまっていて、スキル中心の経営にどうもなってしまっている中で、こうした二つの考え方が背後に追いやられている。そうした反省からか、経営のパフォーマンスを上げていくのには、マインドとか精神というのは極めて重要なのではないかということも言われるようになってきています。
5つ目は企業の資産としての無形資産、つまり目に見えない資産というものをどう考えていくかということで、今までは有形資産に目が当たってきたわけですけれども、無形資産に目を当てていこうという流れの中で人的資本というものに改めて脚光が浴びているということです。
6つ目はステークホルダーからの要求です。株式会社であれば主として株主からの要求ということになります。株主も人的資本と株価に関係する、つまりどういうことかといいますと、人的資本投資を行えば、最終的には企業のパフォーマンスを上げることになり、株主にとってウェルカムな話であるというふうに考えますと、ステークホルダーも当然のことながら、そうした要求をしてくるというわけです。
ところがいろいろな問題点がありまして、資料をめくっていただきますと、問題はですね、誰が可視化し、どうやって資産を増やすのかということになるわけですが、ついつい人のことになってしまうと、人事になってくるわけですけれども、これは“人事ごと”ではないということで、トップのコミットメントあるいは役員間の対話というふうにレベルを上げた話のうえで、そのうえで人事部がどういうふうに立ち振る舞うかということが求められているのではないかということでございます。
第1回は触りということで背景についてお話を申し上げました。
第2回は「どういった職員が求められているのか」についての将来像について少しお話をしたいと思います。
2023.11.07 16:00
2023年10月24日に「幕張メッセ」(千葉県)で開催された、千葉県の5つの信金による「2023しんきん 食の商談会inCHIBA」の様子を動画でご紹介します。
<小森理事長談> Q1.今回のしんきん食の商談会のバイヤー参加数が過去最高とのことだが ご承知のようにコロナで、3年連続でカタログ商談会ということだったんで、4年ぶりのリアルの商談、対面の商談会ということで担当者の方は大変苦労はしたと思いますけども、良い形での商談会になったと思います。 参加者も特にバイヤーの数が当初に比べるとだいぶ増えましたんでね(当初10⇒今回47社)。商談数も増えるのではないかと思って期待しています(当初177⇒今回250商談)。Q2.今後、この商談会以外に5信金で連携した取引先支援の計画は? 今のところ(今年)はまだ具体的にこの商談会以外で、5信金で連携してやってるってことはないですけども、やはりコロナ禍が進んで(収束して)、本格的に景気がこれから回復していきますけれども、その中でやはりコロナを引きずって大変経営が厳しいところも同時にあるわけで。その辺の支援を5信金で何か一緒にできるかどうか、それは今いろいろ考えております(例:千葉県外信用金庫の会員旅行を千葉県内に誘致する5信金連携の観光誘致事業)。具体的にはまだ決まったものはありません。
2023.06.19 05:05
2023年6月7日に「さいたまスーパーアリーナ」(埼玉県)で開催された、埼玉縣信用金庫による「さいしんビジネスフェア2023」の様子を動画でご紹介します。
【特別協賛】
川口信用金庫/青木信用金庫/飯能信用金庫(順不同)
【協賛】
(一社)全国信用金庫協会/信金中央金庫/(一社)東北地区信用金庫協会/(一社)関東信用金庫協会/(一社)東京都信用金庫協会/埼玉県信用金庫協会/釧路信用金庫/大地みらい信用金庫/網走信用金庫/盛岡信用金庫/花巻信用金庫/気仙沼信用金庫/米沢信用金庫/鶴岡信用金庫/水戸信用金庫/鹿沼相互信用金庫/千葉信用金庫/城南信用金庫/多摩信用金庫/平塚信用金庫/三条信用金庫/ 富山信用金庫/高岡信用金庫/しずおか焼津信用金庫/沼津信用金庫/京都信用金庫/京都中央信用金庫/京都北都信用金庫/姫路信用金庫/淡路信用金庫/但馬信用金庫/新宮信用金庫/きのくに信用金庫/ 米子信用金庫/しまね信用金庫/島根中央信用金庫/玉島信用金庫/広島信用金庫/呉信用金庫/しまなみ信用金庫/萩山口信用金庫/西中国信用金庫/東山口信用金庫/徳島信用金庫/高松信用金庫/ 愛媛信用金庫/筑後信用金庫/飯塚信用金庫/たちばな信用金庫/熊本第一信用金庫/(一社)さいしんコラボ産学官( 順不同)
2023.06.19 05:00
【2023年6月7日開催、さいしんビジネスフェア2023・開会セレモニー挨拶】埼玉縣信用金庫・池田啓一理事長/埼玉県・大野元裕知事
<池田理事長>
私ども埼玉縣信用金庫は、「まち・ひと・しごと」のマッチングによる地域創生を目的として、2015年以降、過去4回にわたり「さいしんビジネスフェア」を開催してまいりました。足元の状況を見ますと、新型コロナも5類へと移行し、各種イベントか再開しております。人と人との交流が活発になる中、今回は4年ぶりにリアルを主体としたビジネス展示商談会として開催をいたします。
開催テーマは、「さいしんからサステナブルのご提案」です。SDGsや脱炭素、GX・DXなど持続可能な社会を目指す技術にフォーカスをした企画展示を行います。併せて、日本一暮らしやすい埼玉の実現に向けたサステナブル社会のあり方をご提示させていただきます。今回のビジネスフェアを通じて、新たな発見や課題解決に繋がりましたら幸いでございます。
今回のフェアのもう一つの見どころは、「信金の絆」です。ポストコロナではデジタル化の進展とともに、信用金庫の強みであります、人や地域との繋がりがますます重要になってきております。我々信用金庫がこれまで以上に真価を発揮するときであり、地域の発展と、お客様の成長のために行政や商工団体、支援機関の皆様と力を合わせ、今後もサポートしてまいります。
当金庫では、お客様の販路拡大を目的に「特産品オンラインショップ」を立ち上げるなど、信用金庫のネットワークを身近に感じていただき、ご来場のお客様のビジネスチャンスに繋がることを心より願っております。結びに、ご来賓をはじめ、ご協力いただきました皆様の益々のご発展を祈念申し上げ、簡単ではございますが開会の挨拶とさせていただきます。本日は、よろしくお願いいたします。
<大野知事>
ご紹介をいただきました、埼玉県知事の大野元裕でございます。本日ここに、太田雄彦・関東経済産業局長はじめとするご来賓の皆様、そして数多くの参加者の皆様を得て、「さいしんビジネスフェア2023」が盛大に開催されますことを心よりお喜びを申し上げます。また、池田啓一理事長をはじめとする埼玉縣信用金庫の皆様には、平素より埼玉県政に対し、多大なるご協力をいただくとともに、埼玉県の中小企業の力を下支えをいただく大変なご努力をいただいております。改めて敬意と感謝を表するとともに、本日のこの開催に向けたご努力にも重ねて感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
1
2
3