【人づくりのヒント】提案力向上へ臨店指導
2023.03.10 04:45
湘南信金・専担者が3日間個別で
湘南信用金庫(神奈川県、鷲尾精一理事長)は、本部職員による営業店の若手育成に力を入れている。投資信託やローンなど個人向け商品の提案力向上が狙い。長期のマンツーマン指導が奏功し、2022年度には投信分野で販売実績が飛躍的に伸びた職員も出ている。
同信金は個人向け商品の旗振り役である本部や基幹店のライフプラン・アドバイザー(LA)が若手を指導。近年は全員営業を目指して、5年目までの預金係が販売を兼務しており、早期育成が急務となっている。
そのため「エリア活動」と呼ばれる預金係を対象にした“個別指導”を実施する。営業店にLAが3日間常駐し見込み先へのテレアポ、自宅訪問、ニーズ聴取、商品提案、クロージングまでを一気通貫で指導する。最初の訪問の際は相手の警戒心を解く雑談や平易な言葉を用いた商品説明などを若手の前で実践する。
本部LAの西澤由香子係長(38)(2月1日付で武山支店に異動)は22年12月、入庫2年目の島崎七海さん(23)が在籍する堀ノ内支店(横須賀市)を訪れた。半年前から島崎さんが声掛けしていた見込み先への提案に同席するためだ。
目標との兼ね合いから、これまで特定の商品に目がいきがちだった島崎さん。
今回、顧客が利回りの良い運用商品を希望していたことから、西澤さんはJリートを提案。330万円の購入につながった。島崎さんは「自分が案内したい商品ではなく、顧客の意向に沿う提案をしたい」と振り返った。
長年のエリア活動の結果、急速に実力を付けてきた職員も出てきている。その一人が磯子支店の原田悠稀さん(27)だ。22年12月末の投信販売金額は8075万円(前年同月比307%)と、窓口担当部門で3位を走る。西澤さんは、成績を伸ばした要因の一つとして「見込み先に関する断片的な情報から顧客像を思い浮かべ、提案する商品の当たりを付けられるようになった」と話す。
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