日銀が緩和策修正で株価急落、20日の日経平均600円超安 銀行株は上昇
2022.12.20 16:01
20日の東京株式市場は大幅に4日続落。日経平均株価は前日比600円超下落し、2万7000円を割り込んだ。日本銀行が同日に開いた金融政策決定会合で長期金利の変動許容幅を従来の0.25%程度から0.5%程度に拡大することを決めた。市場で予想していなかった大規模緩和策の修正方針がサプライズと受け止められ、日銀の発表直後から主要株価指数は急落した。一方、収益環境の改善が期待される銀行株は上昇した。
日経平均は朝方から前日比小幅上昇で推移していたが、日銀の決定直後に大幅な下落に転じた。同日終値は同669円61銭(2.46%)安の2万6568円03銭で、10月13日以来の安値。マーケットでは、これまで株価上昇を支えていた金融緩和政策の修正に日銀が動き出したとの見方が広がった。為替相場では主要国との金利差などから相対的に売られていた円が買い戻され、ドル・円は3円以上円高が進行。東京外為市場で円は一時1ドル=132円台へ反発した。
これに対し銀行株は上昇。東証銀行株指数は前日比8.90ポイント(5.12%)上昇の182.59となった。個別でみても三菱UFJフィナンシャル・グループの終値は同5.98%高、三井住友フィナンシャルグループが5.36%高、みずほフィナンシャルグループが4.03%高のほか、地域銀行株も上昇した。市場では、日銀の政策変更によって金利上昇が予想され、金融機関の収益拡大が見込めるとの見方だ。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、日銀の決定について「かなりネガティブサプライズになった」とし、「基本的な緩和の枠組みは変わらないということだが、唐突に決定されたので、マーケットは混乱している」とみる。急激な円高、株安を受けて「市場との対話がしっかりできていない印象だ。もう少しうまいやり方があったのではないか」と指摘した。
この時期での発表について、市川氏は「いろいろな思惑が出てしまう。このタイミングで修正するので、4月以降の新総裁になったところで、見直しに動くのではないかという考え方も当然出てくる」と話した。
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