北陸財務局、9月経済「緩やかに持ち直し」維持 引き上げは慎重姿勢
2022.09.29 18:33北陸財務局は9月29日、9月の北陸経済調査を発表した。総括判断は「緩やかに持ち直している」と前月の判断を維持。個人消費や住宅建設、生産、雇用情勢の各主要項目もそれぞれ判断を据え置いた。
前月に判断を引き下げた住宅建設に関しては、新設住宅着工戸数が前年同月比マイナス19.2%と大幅に下げた前回調査に比べ、今月は前年同月比マイナス1.9%と上向きの動きがみられた。
個人消費は引き続き「持ち直しつつある」と判断。百貨店では衣料品の売れ行きが良かったほか、スーパーでは7月末からの感染再拡大による巣ごもり需要の戻りもあり、飲食料品の販売が高い水準にある。一方で、企業からは「酒類の販売が縮小している」「物価高を背景とした節約の影響により、高単価なステーキ肉などの買い控えがみられる」という振り返りもあった。
8月の主要観光地の入込客数は「前年を上回っている」と判断を据え置き。兼六園からは「初旬に大雨があったが、全体の客数はコロナ前の約6割で推移している」、福井県立恐竜博物館からは「関西地方からの観光客のほか、帰省客が家族連れで訪れることも多い」という声が聞かれた。
「金融」については預金、貸出金ともに「前年を上回っている」と判断を維持。ただ、足元では預金の増加幅が縮小しているほか、貸出金についても企業の売り上げ回復の傾向もあり、手元資金に余裕が出てきていることなどから前年と概ね同水準にとどまっている。
社会・経済活動が活発化しているなか、総括判断を据え置いていることについて、堀田秀之局長は巣ごもり需要を例に挙げ「感染症が収まっていくと需要が増える部分と減る部分がある」と冷静な分析をした。