顧客本位を集中議論 「倍増プラン」に反映 金融庁
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金融庁は近く、金融審議会市場制度ワーキング・グループ(WG)の下部組織として「顧客本位タスクフォース」を設置する。家計の安定的な資産形成を後押しするための施策を集中的に議論。年末までに政府が取りまとめる「資産所得倍増プラン」への反映を目指す。
9月12日に開いた同WGで事務局の金融庁が表明し、座長を務める神田秀樹・学習院大学教授が委員からメンバー選定などの一任を取り付けた。今後、同WGが6月に取りまとめた中間整理のうち、「経済成長の成果の家計への還元」について集中的に議論する。
具体的には、金融商品の販売・助言サービスに関する制度的枠組みのあり方や、デジタルツールを活用した顧客への情報提供の充実、金融教育を含む金融リテラシーの向上策などが主要な論点になる見通し。井藤英樹企画市場局長は同日のWGで、「年末までの取りまとめに向けて精力的な議論をタスクフォースにお願いしたい」と述べた。
一方、同WGでは引き続き「成長資金の円滑な供給」と「市場インフラの機能向上」について検討を進める方針。個別テーマでは、6月に規制緩和された上場企業向けに続く、中堅・中小企業や個人向けの銀証ファイアーウォール規制の見直しが大きな焦点となる。
同日のWGでは、全国銀行協会が「多様なお客様の潜在ニーズにお応えし、最適な資産形成に一層貢献できる」と早期の検討に期待した一方、日本証券業協会は「(6月の)改正による弊害が起きていないかを慎重に検証する必要がある」と主張。銀行界と独立系証券会社のスタンスの違いが改めて示された。