金融庁、NISA抜本拡充 与党に改正要望

2022.08.25 19:37
法令・制度 金融庁 資産形成
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ON自民財金部会
財金部会で藤丸敏・金融担当副大臣が要望を伝えた(8月25日、自民党)

金融庁は8月25日、自民党の財務金融部会にNISA(少額投資非課税制度)の抜本拡充を含む2023年度の税制改正要望を示した。投資期間と非課税期間の恒久化を求めるのが柱。投資枠を拡大したうえで、つみたてNISAを軸に一般NISAとの一本化を図る案を示した。このほか、法人が発行した暗号資産を自己保有している場合、期末の時価評価課税の対象外とするよう求める。


現時点で投資枠の拡大幅など制度設計の細部を決めない「事項要求」として提示した。統合する一般NISAは、つみたてNISAの内部に設ける「成長投資枠」に衣替えし、上場株式などを購入できる枠組みとして維持したい考え。


非課税限度額は、簿価残高を基準に設定する方向を想定。これにより、利用者は投資枠内の資産を売却すれば新たに投資できる余裕を作ることが可能になる。


ただ、自民党税制調査会との交渉は難航が想定される。財金部会関係者は、「長期投資の拡大について理解を得られても、自由に売買できる制度までは認められないのではないか」と話す。


また、未成年を対象とするジュニアNISAの終了を踏まえ、未成年によるつみたてNISAの利用も認めるよう要望。職場から長期投資のすそ野拡大を図るため、従業員がつみたてNISAに充てる投資金を企業として補助する場合は、一定比率を法人税から税額控除する仕組みの導入も求める。


暗号資産に対する課税制度の見直しは、経済産業省と共同で要望を出す。スタートアップ企業の間では、資金調達のために暗号資産を発行して投資家に売却し、議決権を保持するために一定程度を自社で保有するケースが多い。


ただ、現在は評価益が一律に課税される仕組みになっており、スタートアップ企業の成長を阻害する要因として指摘されている。このため、自己保有分については課税対象外とし、事業を円滑に軌道に乗せられるようにすることを求める。

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