三菱UFJ銀、デジタル広告に参入 サイバーエージェントと提携

2022.05.13 11:04
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三菱UFJ銀行はサイバーエージェントと提携し、2022年度中にもデジタル広告事業を開始する。事前に口座所有者から同意を得たうえで、広告主が求める対象のスマートフォンやパソコンなどへ広告を表示する。口座所有者は自身のニーズに合わせた情報提供を受けられる一方、広告主はターゲットを絞ったPRが見込める。同行は預金者情報を活用して広告事業に参入し、収益力向上につなげる。


両者は4月に提携で合意。同行は、同社から広告配信システムの開発などで協力を得て事業をスタートさせる。広告サービス開始後、効果やニーズなどビジネスモデルを検証する計画。そのうえで、銀行本体か、ジョイントベンチャーを含めた銀行業高度化等会社か、どちらで運営するのが適当かを検討する方針だ。


同行は3400万人の預金口座や法人120万社の取引データを持つ。広告を配信する対象者の選定には、口座所有者の属性情報や取引状況を匿名化したうえで分析・活用する。広告を配信する媒体は検討中。インターネットバンキングやホームページ、各種アプリなどの実現可能性を探っている。


同行が広告事業へ取り組むのは、①自社データを持たない企業のマーケティングを支援するとともに、消費の活性化を促す②金融データの価値を社会に還元し、企業と消費者をつなぐ③非金融領域を含めた企業への総合的な支援と新たな収益源の獲得――などが目的。


銀行界では住信SBIネット銀行が2月に広告業務へ参入し、22年内に事業を開始すると発表。広告主から得られた事業収益の一部を顧客に「データ配当金」として還元するビジネスモデルだ。このほか、三井住友フィナンシャルグループは21年7月、電通グループと金融ビッグデータを活用する広告・マーケティングの新会社を設立している。

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