日銀・内田副総裁、段階的利上げ〝表現〟維持 実質金利は「きわめて低い」

2025.10.17 16:31
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全国信用組合大会であいさつする日本銀行の内田眞一副総裁(10月17日、東京都千代田区)
全国信用組合大会であいさつする日本銀行の内田眞一副総裁(10月17日、東京都千代田区)

日本銀行の内田眞一副総裁は10月17日、足元の実質金利について、「きわめて低い水準にある」との見方を示し、これまでの段階的な利上げスタンスを維持した。9月短観(10月1日公表)などを踏まえた経済・物価に対する現状認識も、10月2日に全国証券大会で語った時と同様の表現を用いて述べた。


東京都内で開催の全国信用組合大会で挨拶に立った内田副総裁は、「日米関税交渉の合意により、先行きの不透明感が後退したとの見方から、製造業の一部で改善し、全体としても良好な水準となっている」と足元の業況感に触れ、企業収益について「高水準が維持されている」との見解を強調した。


設備投資に関しても、「デジタル関連投資や省力化・効率化投資などを中心に緩やかな増加傾向が続いている」と分析し、個人消費は「雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移している」との所感を訴えた。


今後の金融政策運営に対しては、「現在の実質金利がきわめて低い水準にある」ことを念頭に、日銀が展望レポート(経済・物価情勢の展望)で示す見通しの実現に応じて、「引き続き、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と、段階的利上げ姿勢を維持。国内外の経済・物価情勢や金融市場の動向などを「丁寧に確認し、予断を持たずに(政策)判断していく」方針を語った。

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