三菱UFJ銀金山支店、PDCAシート活用 答えは顧客のところに

2022.02.21 04:47
営業・店頭体制
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情報の共有化で戦略を検討する得意先担当と野田支店長(左から3人目、2月3日)
情報の共有化で戦略を検討する得意先担当と野田支店長(左から3人目、2月3日)

三菱UFJ銀行金山支店(野田保徳支店長=行員59人うち渉外担当25人。契約社員30人)は、名古屋南エリア最大の営業拠点として真の「ファーストコールバンク」を目指して活動。顧客との良好な関係性を重要視し期待を超える発想、サービスにこだわる。全担当先と週1回は〝拠点の誰かが接点を持つ〟ことで課題解決を目指す。


同店は、取引先の約9割が同行をメインバンクとするなど取引関係が緊密。業種は自動車関連と鉄鋼卸が各3割を占め、大企業から中小企業まで裾野も広いのが特徴。


「答えはお客さまのところにしかない」。野田支店長の活動方針を示す言葉だ。自らも約250社と接点を持ち渉外担当の企業にも数多く訪問することから、活動の〝見える化〟を目的に「取引先別PDCAシート」活用する。


内容は、横軸に月次単位で時間の流れを、縦軸には企業の事業戦略、資本戦略、オーナー家であれば資産承継戦略など現状や課題を約10項目明記。担当者は訪問の都度、新たに判明したことや訪問概要、進捗(しんちょく)状況などを書き込む。シートは支店長が訪問した際にも、コメントを入れ共有化する。事実を把握し、仮説を立て、議論・検証・修正を組織として繰り返す。


時間軸を入れたのは、取引先の課題を先延ばししないため。しばしば企業価値や資産価値等の毀損(きそん)につながる場合もあることが理由だ。シートの空白部分が目立つ作りで、訪問密度の濃淡が一目で認識できる。ただフォーマットにこだわりがあるのではなく、取引先に対する考え方・姿勢を理解して欲しいとの思いからだ。


「顧客の顔をよく見た活動」が奏功したのが企業の先代経営者が亡くなった際の株式承継の支援。海外展開している重要先だったが「日頃の接点強化が生き、信頼関係がより深まった」(野田支店長)と話す。


行員の視座を上げ、自身の姿を発信することを習慣化し「考動」できる人材の育成を進める。若手行員のボトムアップによる6分野(デジタル活用、スマートワーク、効率化、ペーパーレス、在宅活用、管理業務)で支店施策を立案、全行職員がいずれかに所属し活動する。


例えば、デジタル活用ではコミュニケーションツールを有効に使う。掲示板に加え、毎日、数多く受信するEメールは個別に必要と思われるテーマで分類することで作業の効率化を図っている。


◇店周と立地条件


名古屋市南部にあるJR、名鉄、地下鉄が交わるターミナルの金山駅前に立地。営業エリアは市内南部を中心にさらに南の知多半島の一部までカバーする。住宅と工場、物流拠点が混在する。

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