金融庁、預金口座の「旧姓」対応促す 近く実態把握へ
2022.01.28 04:45
金融庁は近く、預金取引における「旧姓使用」の実態調査に乗り出す。夫婦共働きの拡大を受けて2017年以降、金融機関に対応を求めてきたが、利用者から謝絶や説明不足などに起因する苦情が出ているため。旧姓使用が可能でもホームページなどで開示していない例もあり、積極的な情報発信も要請する。
政府は女性活躍推進の一環で、旧姓使用の環境整備に取り組んでいる。運転免許証やマイナンバーカード、住民票への旧姓併記も可能にしており、金融機関にはこれらをもとに本人確認する預金口座の開設などで、旧姓使用を可能とするよう求めてきた。
全国銀行協会も17年7月と19年12月の2回、会員行に政府からの協力要請を周知するなど、業界として対応を推進。このため3メガバンクなど大手行に加え、地域銀行でも旧姓対応は広がっているようだ。
直近では、十六銀行が21年8月、千葉興業銀行が同9月、愛媛銀行が同11月から旧姓の口座名義を認めた。
ただ、システム面で対応できない金融機関もあり、一部の利用者からは謝絶されたとの不満もある。対応可能な場合でも「必要性の説明がないまま追加の申告書の提出を求められた」などと訴える声もあるため、金融庁は内閣府と連携して近く金融機関向け調査を実施し、正確な実態や課題を把握する。
調査の詳細は今後詰めるが、対象は預金取引に限定する方向。金融商品取引などは課税実務との関係で旧姓使用が難しいほか、利用ニーズも預金取引と比べて限定されるとみられるためだ。
関連記事
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 地域金融機関、地公体貸出 割れる戦略 金利上昇で見直し加速
- 三菱UFJ銀、Netflixの独占放映で 独自調査を公表
- <お知らせ>「金融×スタートアップ Meetup」 ~スタートアップ支援の課題と在り方を考えるイベント~【参加無料】
- 福島銀、貸金庫サービスを廃止 26年3月末で
- 改革の旗手 藤原一朗・名古屋銀行頭取、「健康経営」で日本変える
- 高知銀、投信販売体制を再構築 営業店はマス層のみに
- おくやみ 濱詰健二氏が死去 小浜信用金庫理事長
- 埼玉県と県産業振興公社、業態超え新現役交流会 全国初、同一県の9機関協力
- 中企庁、成長企業の人材課題解決 中小機構が3事業本格化
- 東海東京FHD、地域銀と合弁証券好調 預かり資産3兆円突破