北国銀、新社長に米谷氏 杖村氏は持ち株会社社長専念
2024.12.20 07:00
北国フィナンシャルホールディングス(FHD)と北国銀行は12月20日、同日の取締役会で内定した2025年3月1日付のグループ各社の役員体制を発表した。北国銀は杖村修司頭取(63)が退任し、米谷治彦常務執行役員法人部長(54)が頭取から呼称を変更する代表取締役社長に、多田隆保CCイノベーション会長(61)が代表取締役会長に就任する。同行のトップ交代は約5年ぶり。杖村頭取は引き続き持ち株会社である北国FHD社長として、グループ全体をけん引する。25年2月1日の臨時株主総会と3月1日の臨時取締役会を経て正式決定する。
12月20日、北国銀本店で杖村頭取と米谷次期社長が記者会見を開いた。持ち株会社と銀行のトップ兼務を外すことについて、杖村社長は「3年前に持ち株会社を発足した当時から考えていたこと」と振り返り、銀行とグループ会社の利益相反を避けるとともに、ブランド面でも持ち株会社と銀行を切り分けたいとの考えを示した。
銀行トップの呼称を社長に変更する理由は、行内で「頭取」と呼ばれることが減ったことに加え、取引先経営者から親しみやすくするとの狙いを語った。北国銀の取締役を4人から6人に増やしてグループ内における銀行の機能を改めて強化するとともに、営業店との連携により法人顧客との接点の再強化を図る。
今回、北国銀では初めて、次期トップ選びを指名委員会で行った。後任選びの基準は、インテグリティ、リカレントマインド(学ぶ姿勢)、コミュニケーション能力、構想力ーーの4点。候補者数人への面談などを経て、4点の総和が最も大きい米谷氏に白羽の矢が立った。
米谷新社長は、93年の入行以来、法人営業畑を歩んできた。それを踏まえ、「これまでの経験とネットワークを積極的に活用して、社長自らお客さまのところに行くことを実践していきたい」と抱負を述べた。「金利ある世界」が本格化するなか、法人営業を強化する方針だ。
また、北国銀がグループ各社の機能を有効活用するためにも、アカウントマネージャー(法人営業担当者)約300人がグループ会社の提供可能な機能を学ぶ必要性を強調。「アカウントマネージャーの質を上げて、(グループ会社との)コラボレーションやイノベーションを起こしたい」と話した。
杖村 修司氏(つえむら・しゅうじ) 石川県出身、63歳。1985年慶大卒、入行、執行役員総合企画部長兼システム部長、取締役兼執行役員総合企画部長兼総合事務部長、常務取締役兼執行役員総合企画部長兼総合事務部長、専務取締役、20年6月頭取、21年10月北国FHD社長。
多田 隆保氏(ただ・たかやす) 石川県出身、61歳。1986年富山大卒、入行、2015年執行役員、19年取締役コンサルティング部長、21年CCイノベーション社長、24年3月会長。
米谷 治彦氏(こめたに・はるひこ) 石川県出身、54歳。1993年明大卒、入行、本店営業部長、東京支店長、21年執行役員東京支店長、23年3月常務執行役員法人部長。
