証券各社、マイナンバー取得率改善 ほふり通じた照会が寄与
2021.10.22 04:36証券各社で、12月末に提出期限を迎える証券口座のマイナンバー取得率が改善している。マイナンバー制度開始(2016年)前に開設された証券口座での取得が課題となっていたが、顧客への周知活動と、20年4月から導入された証券保管振替機構(ほふり)を通じたマイナンバーの照会制度が取得率引き上げに寄与している。
証券会社は、ほふりに顧客口座の氏名や住所などを提出。ほふりは、住民基本台帳ネットワークシステムを運営する地方公共団体情報システム機構に、マイナンバーを照会する。住基ネットに登録された情報と一致する場合、マイナンバーの取得ができる仕組み。約130社が利用。
野村証券は、ほふりに20年7月と21年5月に請求を行い、照会した約405万件のうち約325万件のマイナンバーを取得。全個人口座のマイナンバー取得率の45ポイント程度を押し上げ、直近では約90%。SMBC日興証券の取得率は9割未満。3、8月に照会をした結果、取得率は約3割向上した。大和証券も2回の照会請求を実施。
SBI証券は20年9月~21年10月に計6回、約106万件のマイナンバーの照会請求を実施した。取得件数は約72万件(21年10月請求分を除く)。その結果、15年以前に開設された総合口座におけるマイナンバー取得率は約23ポイント増加し、約67%(9月末時点)。稼働口座ベースでは約91%。楽天証券は稼働口座のマイナンバー取得率が9割超。ほふり活用により、同取得率は約13ポイント上昇した。
転出後に住所変更手続きをしていないなど顧客情報が更新されていないと、ほふりを介しても取得ができない。マイナンバー取得率が7割超のある証券会社によると、非稼働口座の提出率が低く、「当社口座を今後活用したいと考えていない、または顧客と連絡が取れない」などの未提供の要因を分析。さらなる取得率の向上には限界がありそうだ。各社はマイナンバー未提供の顧客への呼びかけを継続する方針。
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