日証協、SBI証券に過怠金1億円 IPOの株価操作で
2024.03.21 15:26
日本証券業協会は3月21日、SBI証券に過怠金1億円を科す処分を行ったと発表した。主幹事を務める銘柄の新規株式公開(IPO)の初値を不正に吊り上げていたことによる処分・勧告。初値が公募価格よりも下回る「公募割れ」を回避するために香港現地法人と金融商品仲介業者を通じて株価操作を行っていた。
SBI証券は2020年12月から21年9月までに、主幹事を務めた3銘柄で機関投資家9社と一般投資家174人に公募価格と同価格の指値で株式の買付けを勧誘。担当執行役員らによる指示のもと、香港現地法人社員、金融商品仲介業者3社が顧客への勧誘を行っていた。
日証協は経営・内部管理態勢の強化を含めた実効性のある業務改善計画の着実な実施を求め、取り組み状況の報告を求めた。
SBI証券は1月に金融庁から一部業務停止命令と業務改善命令を受け、2月に業務改善報告書を提出。3月15日には東京証券取引所から過怠金1億円、大阪取引所では戒告処分も受けている。