SMBC日興証券、新社長に吉岡専務 「再建への道筋完遂させる」
2024.01.31 20:10![](https://img.nikkinonline.com/wp/wp-content/uploads/2024/01/on日興DSC01523.webp)
SMBC日興証券は1月31日、近藤雄一郎社長(61)の後任に、日興証券出身の吉岡秀二取締役兼専務執行役員(59)が昇格するトップ人事を発表した。相場操縦事案の発生後、再建に向けて取り組んできた近藤氏は退任する。いずれも4月1日付。新社長の下で、健全な企業カルチャーの定着といった「守り」に加え、資産管理型ビジネスモデルへの転換、海外証券ビジネスの強化など「攻め」の経営の手腕が求められる。
同日の会見冒頭、近藤氏は「新生SMBC日興証券としてのスタートを切るタイミングが到来した」と強調した。2022年10月に相場操縦事案などで行政処分を受け、自身の進退については「日興の再建に道筋をつけること」としていた。内部管理・経営管理体制を強化する枠組みの構築は一巡し、今後は「中長期的に浸透、定着させるフェーズに移行することになる」とみる。
新社長に就任する吉岡氏は「会社再建への道筋を完遂させる」と強調した。そのうえで「グローバル連携・グループ連携」「IT」「人財の多様性」の3点を経営のキーワードに挙げた。
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吉岡氏は日興シティグループ証券(旧日興ソロモン・スミス・バーニー証券)の立ち上げをはじめ、海外ビジネスやホールセール部門でのキャリアが長い。相場操縦事案発覚時は三井住友フィナンシャルグループに出向していたが、近藤氏が呼び戻した。近藤氏は「冷静沈着。本当に人の話をよく聞いてくれる」と吉岡氏の〝聞く耳〟を高く評価する。
このほか、川嵜靖之取締役会長も退任する。近藤氏と川嵜氏はともに特別顧問に就任する。また、4月1日以降、取締役会議長には社外取締役の森田宗男氏(元金融庁国際金融審議官)が就く予定だ。
吉岡 秀二氏(よしおか・しゅうじ) 富山県出身。88年慶大理工卒、日興証券入社、11年SMBC日興証券経営企画共同部長、14年執行役員エクイティ副本部長、20年執行役員コーポレート・ビジネス本部長兼ホールセール企画担当、21年3月常務執行役員、23年4月専務執行役員、24年1月取締役兼務(現職)。
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