マンスリーマーケット(10月) 米利下げ経て、日本株は一段高を目指すか
2025.09.29 04:30
10月は、政治・経済ともに国内外で重要イベントが控えており、注目だ。
米国では、引き続き米景気の行方と利下げ動向に関心が集まるだろう。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げサイクルが開始されたなか、関税を起因としたインフレ再燃、もしくは米雇用の大幅悪化などが顕在化しないか、注視したい。
10月末に発表のGDP(国内総生産)速報値も判断材料となるだろう。メインシナリオでは、米利下げを契機に減速感のあった米景気の緩やかな回復を見込んでおり、その前提であれば日米株価指数の上昇も視野に入るとみている。
国内では、4日投開票の自民党総裁選、およびその後の首相指名選挙が重要だ。選出される新総裁の政策スタンスに加え、連立枠組み再編も市場にとって注目に値するだろう。財政拡張的な政策が打ち出されれば、短期的には日本株にとってポジティブであると考える。トランプ米大統領との関係構築にも期待したい。
米利下げと総裁選の状況を鑑みれば、株価の一段の上昇に期待が持てるものの、日本株のバリュエーションは上限近辺まで到達している状況だ。加えて、市場の米利下げ織り込みは過剰であり、今後米長期金利の一時的な上昇も想定される。金利上昇による、株価の一時的な調整に留意しつつ、上値を追う展開を想定したい。
SMBC日興証券 株式ストラテジスト 武田 信洋氏