金融庁、年度内に新資本規制の詳細 「売上高50億円」など定義

2021.10.13 04:42
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金融庁は、2023年3月末から段階的に国内適用する新たな資本規制(バーゼル3最終化)について、適用1年前の22年3月をめどに詳細な基準を示す。金融機関によってはシステム対応も必要になる見通しで、十分な準備期間を用意したい考え。9月28日に示した告示改正案の確定と同時公表を念頭に置く。


新たな資本規制は、国際合意を踏まえ、国際統一基準金融機関と内部モデルを用いる金融機関には23年3月末から適用。標準的手法を採用する金融機関は、適用を1年後の24年3月末に延期することを可能とする。中小規模の地域金融機関は標準的手法を採っており、規制対応負担などを考慮した。


告示改正案では、20年12月に公表した規制方針案に沿って大枠を示した。例えば、標準的手法の場合、中堅企業向け債権(無格付け)のリスクウェートは現行の100%から85%に下がるが、対象となる「売上高50億円以下」の細かな定義は未公表だ。現行規制に売上高による区分は無く、管理のためのシステム対応が必要になる金融機関もある。


株式のリスクウェートでは、現行の100%から5年後に400%まで引き上げられる「投機的な非上場株式」の定義が明らかになっていない。同様に250%となる通常の株式と比べても負担感が大きいため、金融機関の関心は高い。


金融庁はこうした細部について、金融機関の意見も踏まえたうえで、22年3月にもQ&Aとして示す方針。ただ、膨大な量になるため、バーゼル2の時と同様に段階的に公表することになる見通し。優先度が高いものから作業を進め、金融機関の準備期間を確保する。

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