トラスタート、不動産ビッグデータ構築 法個人との接点創出
2023.08.25 04:50
三菱UFJ信託銀など4機関が採用
TRUSTART(トラスタート、東京都)は不動産ビッグデータを活用し、金融機関による顧客接点の創出を支えている。不動産登記簿などを蓄積したデータベースを通じ、事業性融資の借り換えなどピンポイントなアプローチを実現する。三菱UFJ信託銀行や静岡銀行、琉球銀行など4金融機関が活用しており、さらに2023年中に2、3行が採用する見通し。
不動産ビッグデータのプラットフォーム「R.E. DATA」で、マーケティング施策の実行を支援する。データベースには、全国の登記簿情報など役所にある公開情報やインターネット、現地調査結果から資産性の高い建物データ約300万件を蓄積。相続関連情報は年120万件に上る。8月にSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型を開始、既存のエクセル形式から利便性を高めた。
同サービスを活用すると、居住地と異なる不動産を保有している個人が抽出できる。預金口座から得られない資産状況を予測するためのデータとして使い、ターゲット先をリストアップ。金融商品などによる資産運用の提案に生かせる。同社は営業戦略の企画など、コンサルティングも手がける。
活用する銀行では、抵当権を洗い出して他行融資の借り換えを法人に提案するケースがある。日本銀行のマイナス金利政策導入前に融資を受けた事業者をピックアップ。提案前に借り換え後の負担軽減額を算出し、「ローラー活動を展開して成果を上げた」(同社の大江洋治郎社長)という。
同社はメガバンクや地域銀行、信用金庫など36機関とコンサルを含めて協議している。金融機関とタッグを組み、空き家対策など深刻化する社会問題の解決へ最適なサービス提供を実現したい考え。
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