金融庁、ちばぎん証券など3社へ業務改善命令 経営・内部管理態勢の強化求む
2023.06.23 17:58-のコピー.webp)
金融庁は6月23日、投資経験や目的などを確認せずに複雑な仕組み債を販売していたとして、千葉銀行と同行傘下のちばぎん証券、同行とアライアンスを結ぶ武蔵野銀行に業務改善命令を出した。3社に対し、経営・内部管理体制の強化と経営陣を含めた責任の所在を明らかにするよう求めた。
証券取引等監視委員会の検査で、同証券が金融商品取引法上の適合性原則の違反が認められた。一方、両行は金融商品仲介業務で求められる投資者保護を怠っていたと判断された。監視委は検査結果を踏まえ、3社を行政処分するよう同月9日に同庁に勧告していた。
両行は、ちばぎん証券と金融商品仲介で提携。本来のルールでは、行員が行えるのは商品概要の説明と同証券への顧客紹介に限られている。たが、実態は、目標達成のために収益性の高い仕組み債を購入するよう顧客に勧め、同証券に取り次いでいた。また、同証券側でも、リスク許容度などの顧客属性を確認した上で商品を提案するべきところを、両行との関係性を意識して、指定された商品を提案、販売していたという。
内部態勢にも問題があった。同証券は日本証券業協会から適合性原則を順守するよう複数回にわたり、注意喚起を受けていた。両行は、対策会議などを通じて情報共有し、同証券に多くの苦情が寄せられる実態を把握していたが、対策を講じなかった。また、両行本体への苦情に対しても、金融商品仲介のスキームを前提として、「銀行の顧客ではなく、苦情は銀行に寄せられたものではない」と整理していた。
金融庁は3社に対し、7月24日までに業務改善計画を提出するよう求めた。同証券には、適合性原則を踏まえた顧客への勧誘と説明が適切に行われる業務運営態勢の構築の実施を求めた。両行に対しては、法令順守と適正かつ健全な業務運営を前提とした銀証連携ビジネスモデルを構築するよう指示した。
行政処分を受けた3社は同日、「今回の事態を厳粛に受け止め、引き続き改善、再発防止に取り組む」とするコメントをそれぞれ発表した。