湖東信金、地域鉄道の活用策を討論 4年ぶり経済講演会
2023.06.08 20:08
湖東信用金庫(滋賀県、矢島之貴理事長)は、6月8日に東近江市立八日市文化芸術会館で経済講演会を開いた。初めてパネルディスカッションも行い、ローカル線の近江鉄道を生かした地域活性化策などを話し合った。
経済講演会は、コロナ禍のため4年ぶり。事業者ら約150人が来場した。従来は著名人を招き時事問題の解説を依頼していたが、今回はより地域活性化につなげやすい内容で実施。赤字が続き、2024年度から県などが鉄道設備を保有する「公有民営方式」に移る近江鉄道に焦点を当てた。

同鉄道の赤字解消に向けた交流人口増加策を提唱するびわこ学院大学のパン・ジュイン教授が基調講演をした。大正期に造られた近江鉄道の電気機関車を保存するため、同教授のゼミ生を中心にクラウドファンディングで580万円を集めたプロジェクトや、同車両を使ったイベントなどを紹介。パン教授は「東近江市には未開発の地域資源がある。活用策を市民が主体的に考えることが重要」と呼びかけた。
パネルディスカッションでは、同大学生が「自動車の運転免許を返納する高齢者が増えており、公共交通は今後も必要。地域の学生が近江鉄道を知るきっかけとなるイベントを開きたい」と話した。矢島理事長も参加し、地元の太陽光発電の収益で地域商品券を発行した事例を引き合いに、資源を地域循環させる仕組みの重要性を説いた。

同講演会には全支店長も出席。今後、取引先に議論の概要を報告し、地元振興に向けた連携の機運を高めていく。
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