三菱UFJ銀、資産形成サービスを地銀に展開、貸付型CFで地方創生も
2023.04.24 04:50
三菱UFJ銀行は資産形成サービス「マネーキャンバス」を組み込み型金融によって地方銀行にも展開する方針だ。2024年1月からスタートする新NISAが迫るなか、幅広く資産形成を後押しする仕組みを求める地域金融機関にコストや時間をかけずに提供する。
マネーキャンバスは組み込み型金融の黒子として成長を続けるFinatext社との協業によって柔軟性や拡張性の高いシステム基盤を構築し、21年12月にリリースされた。利用者は既に260万人を超え、23年度上期中には300万人の大台突破が確実視されている。
好調の理由として、インタビューに基づいて趣味別や年代別などにカテゴライズし初心者でも自分に近いタイプをイメージして投資に関心が持てるようにしている点や、行内外の意見を反映してデザインを柔軟に変更し見やすさやわかりやすさを追求している点があげられる。

三菱UFJ銀は地銀がこうした仕組みを独自に取り入れようとするとインタビューや制度対応などにコストや人手の負担、導入までの時間がかかると分析。顧客視点やスピードを重視するFinatextと組むことで時間をかけずにスムーズに地銀の期待に応えられると見込んでいる。既に複数の地銀と協議を進め、システム開発のスケジュールなどを踏まえ早期導入をめざす。
また、マネーキャンバスのサービス面で連携するFunds社の貸付型クラウドファンディング(CF)を通じて地方創生につなげることも検討する。貸付型CFは投資家がファンドを通じて企業に投資し分配金を得る投資商品で、企業の資金調達と個人の投資をマッチングさせる特徴がある。地銀にとってもマネーキャンバスのこうした機能を活用して地元企業の広域からの資金調達を支援し、地域活性化に貢献できればメリットは大きい。
マネーキャンバスは今後もコンテンツやデザインに磨きをかけるほか、新たにPFM(家計簿機能)も搭載して利便性や機能性を一段と高める方針だ。
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- MUFG、大谷翔平選手との契約が終了 ブランドパートナーとして6年間
- 自民党、郵政民営化法など改正案 上乗せ規制の文言修正 「速やか」から「3年ごと検証」へ
- 地域金融機関、福利厚生支援に熱視線 職域基盤の構築見据え
- NTTドコモ、銀行業参入に結論出ず 前田社長「なんとか進めたい」
- 信金、保証システム刷新へ 審査申し込みに紙不要
- やさしいニュース解説 証券口座の乗っ取り、隙を突く新たな不正手口
- 大手行、中途採用で営業力補強 地銀・信金から流出も
- MUFG、マイボトルの利用促進 ペットボトル1万4500本削減
- 常陽銀、手形帳などを等価買い戻し 法人決済デジタル化促進
- 高知銀、シニアへ業務委託拡大 人手不足解消に一手