日銀調査、物価「かなり上がった」6割 家計圧迫
2023.04.12 18:55
身の回り品などの物価上昇による家計の圧迫感が一段と強まっている。日本銀行が4月12日に公表した定例世論調査(生活意識に関するアンケート)で明らかとなった。
同調査では、足元の暮らし向きについて、1年前に比べて「ゆとりがなくなってきた」とする回答が全体の56%に達し、前回(22年12月調査)よりも3ポイント上昇。物価を理由に挙げる家計が増えた。
現在の物価に対する実感では、1年前に比べて「上がった」とする回答が94.5%に。高水準だった前回(94.3%)を上回った。特に、〝強く〟感じる割合が増え、「かなり上がった」との回答は62.8%と前回から10.1ポイント高まった。物価上昇に対して「どちらかと言えば、困ったことだ」と後ろ向きに捉える割合も87.4%(前回86.8%)となった。
家計の支出についても、食料品や日用品を中心に、「増えた」とする割合は60.2%(前回52.7%)に達した。
一方、景況感には底打ち感も。「悪くなった」との回答は63.9%と高水準ながら、前回から3.1ポイント改善。収入面でも前回から「増えた」割合が高まる一方、「減った」との回答は低下した。
野村総合研究所の木内登英氏は「賃金は増えつつあるが、物価の伸びを上回るほどには達しておらず、家計には逆風で悪い物価上昇になっている」とみる。
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