日銀仙台支店、原材料価格上昇などでDI悪化 東北地区の3月短観
2023.04.03 21:20
日本銀行仙台支店は4月3日、東北地区6県の「企業短期経済観測調査(2023年3月)」を発表した。
全産業の業況判断(DI)はマイナス1ポイントで、前回22年12月調査に比べ2ポイント低下した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が小さくなり、経済活動が活発になってきたが、一方で原材料やエネルギー価格の上昇が企業の収益面に影響を与え、小幅ながらDIは再びマイナスになった。
製造業全体ではマイナス12ポイント(22年12月比6ポイント低下)。輸送用機械は部品の供給制約緩和の影響を受け、マイナス7ポイントだが19ポイント改善した。非鉄金属は、海外のIT需要の減退の影響を受け、マイナス38ポイントで45ポイント低下。鉄鋼はエネルギー価格の上昇の影響を受け、マイナス15ポイントと22ポイント低下した。
非製造業全体では、プラス4ポイント(同2ポイント低下)。コロナ感染症の影響緩和から、対個人サービスがプラス17ポイントと17ポイント改善。また、小売もプラス9ポイントと9ポイント改善。ただ、宿泊・飲食サービスはプラス3ポイントだが、冬場の燃料費代が想定以上に収益を圧迫したため、前回比で18ポイント悪化した。
竹内淳支店長は「海外のIT需要の減退、原材料、エネルギー価格の上昇などのコスト増による収益悪化の影響はあるが、コロナ感染症の影響緩和や部品の供給制約の緩和もあり改善の動きがある。また、企業も研究開発やソフトウェアへの投資を行っており、緩やかに持ち直している」と語った。
6月の先行きは、全産業がマイナス4ポイント、製造業がマイナス9ポイント、非製造業がマイナス2ポイントとした。
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