【人づくりのヒント】年齢別に細分化した人事施策

2023.03.24 04:45
人材育成
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2022年6月3日に実施したタウンホールミーティングには、嵯峨行介社長がオンラインで参加した(スルガ銀行スルガ平本部、提供)
2022年6月3日に実施したタウンホールミーティングには、嵯峨行介社長がオンラインで参加した(スルガ銀行スルガ平本部、提供)

スルガ銀行・業務意欲や働きやすさ向上へ


【静岡】スルガ銀行は社員の業務意欲向上のため、年齢別に細分化した人事施策を展開。若手・中堅向けには本部業務を学ぶ機会を提供しているほか、「社内公募制度」も導入した。55~60歳の社員には2022年度から、新たな行内資格「マイスター制度」を創設。役員と社員が直接対話する「タウンホールミーティング」では、参加者の役職に応じてテーマを設定。生の声を経営に反映し、士気が上がる職場環境の整備につなげている。


社内公募制度は人事部に直接申し込み、選考は業務時間外に実施。所属部署に知られることなく配属までを完結できるよう配慮した。希望先の責任者と人事部による面接では、現職場における実績や異動に向け取り組んだことなどを確認。これまでに約30人が応募、およそ40%が合格した。
 同制度浸透に向けた施策の一つが、10人の部門長が各部の役割や業務内容を解説する「合同部署説明会」。22年2月に初開催し、23年は5月ごろに実施予定。入行6年目までの社員が参加し、キャリア形成に役立てる。
 「マイスター制度」導入の狙いはベテラン社員の意欲向上。55歳を機に給与体系が変わるが、各分野の専門家として認められた有資格者の給与は、54歳以前の体系に準じて設定される。資産コンサルティング営業に強い「資産運用マイスター」など自身考案の肩書を名刺に記載できる。
 同制度は業務態度や実績をもとに各部署責任者が推薦。経営陣の会議を経て認定する。所属長を除く全職種が対象で、任期は1年。社員からは認定取得に前向きな声が多く今後、認定数を拡大する方針。
 タウンホールミーティングはこれまでに12回実施し、計102人が参加した。議論テーマは(1)銀行が目指す姿(2)経営陣に求めること(3)中期経営計画――など。ある回では「営業現場の社員から本部に直接商品案などを提案したい」との要望があり、22年度に提案者と担当部署が新商品について話し合う意見交換会が実現した。

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