【ウクライナ侵攻1年】3メガ銀、現地取引先サポート継続

2023.02.24 04:50
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ロシアによるウクライナ侵攻から2月24日で1年になる。日本の金融界は、現地向けエクスポージャーを徐々に縮小するものの、現地に残る取引先の支援など業務を継続。ウクライナ情勢の長期化による再度の物価上昇など、混乱への警戒を強めている。


全国銀行協会の半沢淳一会長(三菱UFJ銀行頭取)は、銀行界への影響について「企業収益の圧迫に伴う与信費用」を懸念。物価上昇に伴う世界的な金利上昇で、債券売却損も大幅に増加。紛争長期化を受け「再度のエネルギー取引への制限や、サプライチェーンが混乱する可能性も否定できない」と危惧する。


みずほフィナンシャルグループ(FG)はロシア現地法人を通じ、進出の日系企業や多国籍企業との取引を継続。「ロシアに進出しているお客さまに対し、決済などの必要不可欠なサポートに専念しており、新たなビジネスは控えている」という。三菱UFJFGは「ロシアからの撤退や、関連事業の縮小などを決断したお客さまもいる一方、業務を継続するケースもあり、判断はさまざま」。ロシア現法への派遣行員はすでに全員日本に帰国し、リモートワークで業務運営する。


三井住友FGも、ロシア関連業務は情勢を注視しながら慎重に対応。ロシア現法は「従業員の安全、現地と各国法令の順守に留意しながら業務継続中」だ。


大手損害保険各社は1月下旬から、ロシア領海を運航する液化天然ガス(LNG)船向けの船舶戦争保険の保険料を引き上げた。紛争の長期化・激化で、欧州の再保険会社がロシア・ウクライナ・ベラルーシ領海・領水に関する船舶戦争リスクに関する判断を一層厳格化し、再保険料の引き上げを求めたため。各社は今後も補償の提供を継続するため、再保険会社と厳しい交渉を続けていくもよう。あいおいニッセイ同和損保は「サイバー攻撃のリスクが高まっており、国内外の社会的な重要インフラが攻撃の標的になる可能性がある」と警戒する。

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