政府、日銀新総裁に植田氏を国会提示 副総裁は内田氏と氷見野氏
2023.02.14 11:13![](https://img.nikkinonline.com/wp/wp-content/uploads/2023/02/on_DSC4533.jpg)
政府は2月14日、黒田東彦・日本銀行総裁の後任に、元日銀審議委員で共立女子大学教授の植田和男氏(71)を充てる人事案を国会に提示した。衆参両院の同意が得られれば、黒田総裁が任期を終える翌日の4月9日に就任する予定。また、3月19日に任期満了の雨宮正佳、若田部昌澄両副総裁の後任には内田眞一・日銀理事(60)と氷見野良三・前金融庁長官(62)を起用する案も合わせて示した。正副総裁ともに任期は5年。
植田氏は静岡県出身で、東大、マサチューセッツ工科大大学院卒業後、経済学者として東大教授などを歴任。日銀法改正(1998年施行)後の審議委員の1人として約7年間、金融政策運営に携わり、速水優、福井俊彦両総裁の下、「量的緩和」「ゼロ金利」といった政策運営を理論面から支えた。
現行の金融政策について、大規模緩和政策に一定の理解を示しつつ、「限界」も指摘。「効果と副作用を理論面から十分に検討せずに講じる今の政策には否定的」(野村総合研究所の木内登英氏)とみられる。
副総裁候補として示された内田氏は、黒田総裁の下、大規模緩和策を実務面から支えた。12年から約5年間、企画局長を務め、「異次元緩和」「マイナス金利」の導入・運用などに携わった。18年の理事就任後も企画局のほか、決済機構局や金融市場局の担当役員として、政策運営の主要ポストに身を置く。
金融庁長官を務めた氷見野氏は、大蔵省入省後、監督局銀行第一課長や金融国際審議官を歴任。バーゼル銀行監督委員会で日本人初の事務局長も務めた。金融システムへの目配りの重要度が高まるなか、「金融機関との関係がより重要になっている環境で適任」(金融庁関係者)との見方もある。
10年にも及ぶ大規模緩和策の副作用が一段と顕在化するなか、国内屈指の「経済学者」をトップに、日銀を代表する金融政策の「実務家」と、金融システムの世界的「ルールメーカー」が支える新たな布陣で〝前例なき正常化〟の道を探る。
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