北海道銀、サハリンの事務所閉鎖へ ロシア拠点1カ所に集約
2023.01.07 09:35北海道銀行は、ロシアに開設している2駐在員事務所のうち、3月末でユジノサハリンスク駐在員事務所(サハリン州)を閉鎖する。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻などを受けた経済制裁、渡航や帰国上の制約など「顧客のビジネスも含め、安全に活動できる環境の確保が見込めない」(国際部)と判断。もう一つの沿海地方にあるウラジオストク駐在員事務所に業務や機能を集約する。
2022年2月のロシアのウクライナ侵攻開始を受け、同年3月には、両駐在員事務所の所長は日本に戻り、以降、各事務所とも、現地スタッフ1人体制で運営。ロシア当局からの照会などに対応してきたが、企業の現地進出や貿易取引の支援など中核業務は休止状態になっていた。
ユジノ事務所は現状、サハリンで唯一の邦銀拠点で、09年3月開設。中古自動車や海産物関連の輸出入など北海道・ロシア間の商流のほか、駐在員事務所のサポートで日本企業がロシア進出を実現してきた実績もあり、集約先のウラジオ事務所で、ロシアビジネス支援の機能を維持する。
ウラジオストクはロシア極東最大の港湾都市で、ロシア極東の経済や文化的中心地。北海道銀などが出資し、海外進出支援や貿易業務を手がける地域総合商社「北海道総合商事」(札幌市)も、子会社の形で拠点を有している。