日銀金沢支店、「旅行支援」の効果顕著 12月の北陸短観
2022.12.14 19:15
日本銀行金沢支店は12月14日、12月の北陸短観を発表した。対象は富山、石川、福井県内の325社。全産業の業況判断指数(DI)は、9月の前回調査から3ポイント増加のプラス4ポイントとなり、3期連続の改善となった。
製造業は、前回のプラス3ポイントから5ポイント悪化しマイナス2ポイント。原材料価格上昇の影響を受けた化学や石油・石炭製品の悪化が目立った。
非製造業は、前回のマイナス2ポイントからプラス8ポイントへ改善。特に宿泊・飲食サービスでは、前回のマイナス27ポイントからプラス40ポイントへ大幅に改善した。観光客やビジネス客増加によるレンタカー業の回復から、物品賃貸が24ポイント改善しプラス33ポイントに。全国旅行支援事業の効果が顕著に見られた。
北陸地区の12月の金融経済月報も発表した。全体判断は「基調としては持ち直している」から引き上げ「持ち直している」に。引き上げは2022年7月以来5カ月ぶり。
個別の項目では、個人消費について「引き続き持ち直しの動きがみられている」から「持ち直している」と引き上げ。5月以降7カ月ぶりの判断変更となった。百貨店から人流回復を指摘する声があったほか、スーパーからも値上げによる買い控えが強まってはいないという分析があった。
吉濱久悦支店長は、景気を天気にたとえ「やわらかい日差しが差し込み、明るさが増しているものの、少し遠いところには灰色の雲が厚く垂れ込めている」と説明。コロナ前の活力はないが、足元では明るさが増している現状と原材料・エネルギー価格の高騰や中国・欧州など海外経済の減速により不透明な先行きを表現した。
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