東京海上日動、洋上風力工事の保険 10億円超補償
2022.12.10 04:45
東京海上日動火災保険は12月中にも、洋上風力発電設備の工事請負業者や部品サプライヤーが契約上の瑕疵(かし)保証責任により被る損害を補償する保険を発売する。再生可能エネルギーの同発電は、工事が広範、高額でかつ長期にわたる瑕疵保証責任を求められる傾向にある。こうした点を保険でカバーし、産業発展を後押しする。
洋上風力発電設備の施工は専門性が高く、工事請負業者が設計・部品調達・建設を一括で行うのが一般的。このため施工業者や部品サプライヤーが負う瑕疵保証責任は、通常の建設工事保険や生産物賠償責任保険ですべてを賄えないのが課題となっている。
実際、洋上風力で先行する欧州からは重大な瑕疵の発生により業者が倒産する事例も複数報告されているという。
このため同社は、再保険を活用しつつ最長5年間、10億円超の瑕疵保証責任に対応する保険を開発。2020年4月に取り扱いを開始した、発電業者向け保険とともに提供していく。
日本風力発電協会によれば、国内洋上風力発電量は51.6メガワット(22年6月時点)。政府主導の「洋上風力産業ビジョン」は、これを30年までに運転開始ベースで5.7ギガワット(GW)とする目標を掲げ、40年には案件組成ベースで30~45GWへ拡大する方針だ。その際、国内からの部品調達率を60%とするなど産業振興に期待を寄せる。