百五銀、三重県産の「魚」を海外へ 137トン輸出めざす

2022.10.24 04:56
海外取引支援
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漁業者支援を担当する国際営業部国際ビジネス支援課。打ち合わせする(左から)津田悟課長代理、原田浩司課長代理、中西課長(10月14日、同行本部)
漁業者支援を担当する国際営業部国際ビジネス支援課。打ち合わせする(左から)津田悟課長代理、原田浩司課長代理、中西課長(10月14日、同行本部)

百五銀行は、漁業者の輸出戦略を伴走型で支援している。三重県産ブランド魚の販路拡大に向け、三重県漁業協同組合連合会(漁連)と事業計画を策定、生産現場にも足を運び生の声を聞く。8月には、タイにサンプルの魚を輸出、アンケート回答などを基にプロモーション戦略や品種の改良に活用、本格的な輸出につなげていく考え。


支援がスタートしたのは2021年11月ごろ、漁連では、国内の人口減少でマーケットの縮小が予想されるなか、特にアジアへの輸出で活路を見いだすことを検討していた。補助金申請には事業計画が必要だったが、自前での輸出は未経験だったことから、同行国際営業部が「オーダーメイドのコンサルティングで、きめ細かい対応ができる地域銀行の強みをPR」(中西貴昭・同部国際ビジネス支援課長)。支援パートナーとして同行が選ばれた。


1月に策定がスタートし、同部と漁連が最低週1回のペースで協議を重ねる。目標は、コロナ禍による海外渡航制限の解除後、速やかにアクションするため準備を進めること。ターゲット国の選定から海外現地の流通状況、国内外のバイヤーへのヒアリングなどを実施、輸出における課題を整理した。3月に申請し、4月に5年計画がスタート、26年度に1億2000万円、137トンの輸出を目指す。


輸出先をタイに決めたのは、中西課長を含めた担当者3人が、同国での勤務経験があったことも理由の一つ。2月には、人脈を活用しタイ領事館での試食会も実施。また、ライバル商品が多いなか、差別化で目をつけたのが商品(魚)が持つ〝ストーリー〟の理解。養殖場を定期的に訪問し、餌やり体験や生産者との面談など、直接見聞きすることで販売戦略にも活用する。


テストマーケティングでは冷凍した養殖の「伊勢まだい」「伊勢ぶり」各10キロを輸出、11月ごろには鮮魚を輸出する予定だ。行内でも機運を醸成するため、6月に社員食堂で同商品を使ったメニューを提供。本部、本店では即売会も実施した。「漁業は三重県でも重要な産業の一つ。真剣に取り組んでいきたい」(同)と強調する。

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