日銀金沢支店、景気判断据え置き 急激な為替変動を憂慮
2022.09.12 17:46
日本銀行金沢支店は9月12日、北陸地区の9月の金融経済月報を公表した。全体判断は「基調としては持ち直している」と据え置き。住宅投資に関しては、前月までの「持ち直しの動きがみられている」から「弱めの動きがみられている」と、2021年4月以来17カ月ぶりに判断を引き下げた。
個人消費は「引き続き持ち直しの動きがみられている」と前月判断を維持。気温上昇や夏休みシーズンであることが、好影響を与えている。百貨店では、夏物衣料や帰省客向けの土産物の売上が好調。ホテルや旅館などの宿泊施設では、新型コロナウイルス感染症の拡大によるキャンセルもみられたが、首都圏や関西地方からの利用客の増加もあり、宿泊者数は改善している。
判断を引き下げた住宅投資に関しては、販売数が多い中価格帯に減少の動きがみられると指摘。低価格帯の住宅に購入を変更するなど、資材高騰などによる価格変動のあおりを受けやすい層が、慎重な姿勢をみせていると分析した。
8月上旬の大雨については、企業の生産活動において北陸地域の景気全体に影響する大きな支障はないとした。地域金融機関の金融インフラ・サービス提供にも問題は生じていない。
吉濱久悦支店長は、最近の円安について「急激な変動は望ましくない」としたうえで、「各国経済の実情に沿う形で、一定のレートに収れんすることが望ましい」と述べた。