山口FG、再生支援事業を本格化 150社超をランクアップへ
2022.07.30 04:50![](https://img.nikkinonline.com/wp/wp-content/uploads/2022/04/0170ON山口FG東大.jpg)
山口フィナンシャルグループ(YMFG)は、アフターコロナを見据え、抜本的な再生支援事業に乗り出す。伴走支援の体制を強化するため子会社や関連会社とグループ協議体を設置。再生支援を高度化し、地域活性化につなげるのが狙い。
YMFGは2021年度の与信費用として、当初45億円の計上を予定していた。しかし、「コロナ禍が長引くことを想定し、抜本的な事業再構築や事業立て直しのためには早い段階で追加・予防的な措置が必要」(YMFG)と判断。21年度に予防的引当先3103先に56億円、追加的引当先127先に120億円を追加。合計221億円の与信費用を計上した。
コロナでダメージを受けた企業へ迅速かつ専門的な支援策を講じるためグループ協議体を設置。取引先企業の再生支援の方向性を企業とともに検討していく。協議体は、YMFG本部(営業戦略部)、山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行の事業性評価部、ワイエムコンサルティング、にしせと地域共創債権回収(にしせとサービサー)、山口キャピタル、YMキャリア、YMFG ZONEプラニングで構成する。
再生支援の方法は、事業性評価に始まり、経営計画策定、再生ファンド、サービサー、人材支援など、専門的な知見を持つ各機関がそれぞれの分野を担当。その際、カギとなるのがサービサーの存在だ。通常であれば、他金融機関との調整にはかなりの期間を要する。にしせとサービサーがこの分野を担うことで、企業の再生機会を逸することなく迅速な再生支援が可能となる。
YMFGは、22~24年度の中期経営計画期間中に、グループ協議体で累計100社以上の再生支援の方向性を検討し、計画策定などを行う。また、再生支援先、追加的引当先では、累計150先以上の格付けランクアップをサポートしていく考え。YMFGは「徹底的にシナジー効果を追求し、伴走支援による抜本的な再生支援を展開していく」としている。
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