日銀金沢支店、景気判断2カ月ぶり引き上げ 地震の影響は限定的
2022.07.08 19:37
日本銀行金沢支店は7月8日、7月の金融経済月報を発表した。北陸の景気について「基調としては持ち直している」と5月以来2カ月ぶりに判断を引き上げた。国際情勢などを背景とした不確実性はあるものの、社会経済活動の再開により、景気の下押し圧力が緩和されていることを示唆。6月19日に石川県能登半島で発生した地震に関して、現時点では景気全体への影響は大きくないとの見方を示した。
個人消費は、引き続き持ち直しの動きがみられていると判断を据え置き。幅広い世代の外出機会が増加したことにより、百貨店では宝飾品から衣料品、化粧品など広い品目で需要が改善した。観光も県の宿泊応援事業による下支えがあり、6月以降、中京圏・関西圏からの観光客が増加。修学旅行に加え、企業のグループ旅行やパーティー会場での宴会など、裾野の広がりがみられるとした。
設備投資は、「持ち直している」から「増加している」へと判断を3カ月ぶりに引き上げた。2021年度の設備投資の実績は前年度比9.4%の増加(6月短観)。工場の生産ライン新設などの能力増強や省力化投資、小売業における新規出店投資の動きは22年度も続いているとした。
製造業では二つの要因が加わったと分析。太陽光パネルの設置や照明のLED化など環境対応と、コロナ前の19年度を超える売り上げをあげた業種が21年度の4業種から22年度は11業種になっていることを指摘。売り上げの回復が製造業の設備投資につながっているとした。