三井住友THDと信金中金、地方で起業支援 最大40億円ファンド組成
2022.07.05 04:35
三井住友トラスト・ホールディングス(THD)と信金中央金庫は7月4日、ベンチャーキャピタル(VC)のNESと地域における起業家教育及び起業支援に関する連携について合意した。起業家教育と最大40億円規模のファンド組成を両立し、地方発のスタートアップ創出を目指す。
日本の起業状況は東京に一極集中している。ユーザーベースの調査では、2021年の国内スタートアップ資金調達額は7801億円で、地域別では東京都が約84%を占める。NESの今川信宏社長は、「地域では企業家の数が圧倒的に少ないことに加え、企業の成長に必要な資金調達支援も不十分だ」と指摘する。
今回の連携により、地域での起業家教育とVC投資をワンパッケージで提供する。三井住友THDと信金中金はNESファンドへの出資に加え、各社のネットワークを通じて、元上場企業経営者らと連携した教育プログラムを展開する。
4日の記者説明会で、三井住友THDの高倉透社長は「起業を志す大学の研究者などを探し、資金調達を始め販路開拓やIPO(新規株式公開)などを支援していく」と語った。信金中金の柴田弘之理事長は、「信金の全国ネットワークに多様な外部企業のソリューションを組み合わせ、地域発のスタートアップを実現させていく」との考えを示した。
NESファンドの投資額は1社あたり1000万円を想定。都市部のIT領域であれば2億円を上限とする。教育支援エリアの拡大と合わせて、将来的に全国で合計75~100社への投資を目指す。