北洋銀、普及型サステナ・ローン第一号 目標設定・検証など条件緩和
2022.06.30 18:56
北洋銀行は6月30日、脱炭素やSDGs(持続可能な開発目標)を促進する「サステナブル経営支援ローン」で、第一号の融資を実行した。同ローンは「サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)」の普及タイプとの位置付け。SLLに準じつつ、国際基準・SLL原則への適合を必須条件にしないなど、活用の間口を広げる設計で、北海道内企業のSDGsやESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを促進する。
自動車販売や整備事業の「日免オートシステム」(札幌市、安部雅夫代表取締役)に実行。金額・金利などは非公表。条件である、サステナビリティやESG関連の設定目標には、女性が働きやすい職場づくり、ジェンダー平等、外国人実習生の積極登用、自動車整備技術の向上を列挙。調達資金は採用活動や福利・厚生の充実に充てる。
数値目標は、2030年度までで、女性の従業員比率40%(22年3月で26.7%)、女性管理職15%(同7.5%)、外国人実習生の雇用30人(同2人)。整備員のうち、電気自動車や燃料電池車など、次世代車両の技術を有する人材の比率100%(同36.5%)。
SLLでは各業界での水準を超えるなどの「野心的目標」が求められるが、経営支援ローンでは、SDGsなどに貢献に資すれば、際立った目標でなくとも可。進ちょくの第三者確認やレポート提出なども条件としていない。一方で、SLLで達成度合いに応じ適用される金利優遇はない。目標の意義については、シンクタンクの北海道二十一世紀総合研究所(札幌市)からセカンドオピニオンを得る。
日免オートシステムは、同行の有償サービス「SDGsコンサルティング」を活用し、自社のサステナビリティ経営方針を策定。話し合いで明確になった課題や重点分野を、経営支援ローン利用に際しての取り組み目標に掲げた。
6月29日、同行本店で会見した安部代表は「第三者の目で課題を整理してもらえたことで、当社のあるべき姿がより明確になった」と話していた。
関連記事
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 地域金融機関、地公体貸出 割れる戦略 金利上昇で見直し加速
- 三菱UFJ銀、Netflixの独占放映で 独自調査を公表
- <お知らせ>「金融×スタートアップ Meetup」 ~スタートアップ支援の課題と在り方を考えるイベント~【参加無料】
- 福島銀、貸金庫サービスを廃止 26年3月末で
- 改革の旗手 藤原一朗・名古屋銀行頭取、「健康経営」で日本変える
- 高知銀、投信販売体制を再構築 営業店はマス層のみに
- おくやみ 濱詰健二氏が死去 小浜信用金庫理事長
- 埼玉県と県産業振興公社、業態超え新現役交流会 全国初、同一県の9機関協力
- 中企庁、成長企業の人材課題解決 中小機構が3事業本格化
- 東海東京FHD、地域銀と合弁証券好調 預かり資産3兆円突破