【第二地銀協・黒本会長インタビュー】相場急変に最善の対処を
2022.06.19 04:38
第二地方銀行協会では6月16日、新会長に栃木銀行の黒本淳之介頭取(63)が就任した。就任の抱負や協会運営などについて聞いた。
――2017年以来、2回目の会長就任となった。
「前回もマイナス金利環境下ではあったが、フィンテックの進展やAPI接続など前向きなテーマが多かった。足元では長期化するコロナ禍、欧米の金利正常化、ロシアのウクライナ侵攻などこれまでに経験のない環境下にあり、大きな違いといえる。ただ地域金融機関としてやるべきことは基本的に変わらない。地域発展のために取引先企業の本業を支援し、成長をいかに手伝うかということが重要だ」
――就任の抱負を。
「この1年間の活動テーマを『地域社会の未来を共に創る』とした。具体的には顧客起点のビジネスモデルの構築、デジタルによる生産性向上、地域課題解決ビジネスの創出――の三点を柱にしている」
――コロナ禍における役割は。
「中小・小規模企業の実情を踏まえて、資金繰りを支える。社会や経済的課題が複雑化するなかで最も大事なことは、コロナ禍で進展した新常態での地域の経済成長や持続性の確保だ。それに向けて、顧客の状況を把握しコンサルティングを提供する。会員行がこうした重要な役割を果たせるように、情報提供をはじめに関係当局との協議などを通じて積極的に支援していく」
――急激な円安の影響は。
「幅広い業種を想定している。取引先企業を1社ずつヒアリングするなど、状況を把握したうえでソリューションを提供することが大切だ」
――世界的な金利上昇で有価証券運用に支障が出ている。
「株と債券の逆相関が崩壊しているような難しい局面にある。会員行のポートフォリオの中身はそれぞれ異なるが、そのなかで最善の損失拡大防止策を講じている」
――銀行が株式を上場する意義は。
「上場会社にはガバナンスや社内体制、社会的な信用力が求められる。これらは預金取扱金融機関として大きな要素だ。また行員のモチベーションという点からもメリットといえる。他方、自己資本の充実という観点では株主としっかりした対話をすることが責務だ」
――会員行の行員へメッセージを。
「一つ目は『親しみやすさ』や『相談しやすさ』という我々の強みを生かし、顧客との対話の機会を増やしてほしい。真の課題を理解し、最適な提案をする。二つ目は地域課題の解決に資するビジネスの創出にチャレンジしてほしい。会員行が持つ経営資源を駆使して、失敗を恐れずに挑戦を積み重ねることが地域社会の未来を切り開くために重要だ」
(聞き手=飯田 裕彦)