【あんしんねんきん介護R関連】東京海上日動あんしん生命、介護年金が好調 取り扱いは45機関に
2022.02.21 04:36
「【あんしんねんきん介護R関連】東京海上日動あんしん生命、介護年金が好調 取り扱いは45機関に」ニュースの要約
・東京海上日動あんしん生命保険の「あんしんねんきん介護R」が金融機関窓販で好調
・払い込んだ保険料のうち、給付がなければ戻ってくる商品性が支持され、発売から7カ月で取扱金融機関数が45行庫に拡大
・当初の目標720件を大きく超え、年度末で3000件を目指す
・介護・認知症リスクに備えつつ、最終的に保険料が戻る「貯蓄性」も備えた商品
・介護年金は5年・10年・終身の3期間で、「要介護2以上」に認定されると給付が開始
・平均月換算保険料は1万1834円で、地域銀行や信用金庫、信用組合が取扱い
・販売上位の金融機関では200~360件の実績を記録し、有力地銀の参加で販売促進が期待される
東京海上日動あんしん生命保険が金融機関窓販で2021年9月に発売した「あんしんねんきん介護R」が好調だ。所定の年齢まで払い込んだ保険料のうち〝給付を受けなかった分〟が戻ってくる商品性などが受けて、発売から7カ月で取り扱い金融機関数は45行庫に拡大。当初は21年度目標720件に設定したが、22年2月15日時点で2倍を超え、年度末では目標比4倍超の3000件を目指す。
同商品は、将来の介護・認知症リスクに備えつつ、最終的には払い込んだ保険料が戻ってくる「貯蓄性」も兼ね備える。顧客の契約年齢に応じて定められた所定の年齢に達するまでに「介護年金」の受け取りがなければ全額が、受け取りがあった場合も、受け取り済み年金額を差し引いた額が戻ってくる。
介護年金は5年・10年・終身の3期間。公的介護保険制度の「要介護2以上」と認定されたときなどに給付が開始する。「備えは必要だが、〝掛け捨て〟には抵抗がある」という顧客に勧められるのが強みで、金融機関の「積立キャンペーン」などに合わせてクロスセルできる。
平均月換算保険料は1万1834円(21年11月時点)。取り扱い金融機関は地域銀行と信用金庫、信用組合で、販売上位3行庫は200~360件の実績を上げている。
同社は「これまで平準払い介護保険で成功したとはいえないが、今回は確かな手応えを感じている」(金融営業推進部)という。年明けから有力地銀が加わったこともあり、販売に一層拍車がかかると期待する。
ニッキンオンライン編集デスクの目
年金保険市場における介護保障ニーズの高まりは、日本の人口動態の変化を反映している。従来の生命保険商品は死亡保障を主体としていた。しかし、平均寿命の伸長と高齢化の進展によって年金・医療型の需要が増加 している。
「あんしんねんきん介護R」の商品性は、この市場環境の変化を的確に捉えている。特筆すべきは保障機能と貯蓄機能の組み合わせだ。介護保険は保障に特化した商品設計が主流であったが、近年では超低金利環境下での資産形成ニーズに応えるため、貯蓄性を持つ商品開発が進められている。
販売チャネルとして地域金融機関を重視している点も注目すべきだろう。1990年代の生保商品は、営業職員チャネルが圧倒的なシェアを占めていた。しかし、1996年の金融ビッグバン を契機に銀行窓販が解禁され、貯蓄性商品の販売において金融機関チャネルの重要性が高まっている。
商品開発の背景には、介護保険制度を取り巻く環境変化もあるだろう。2000 年に公的介護保険制度が導入されて以降、給付と負担のバランスが課題となっている。
あんしん年金介護Rのデメリットは仕組みが複雑である点だ。保障と貯蓄を組み合わせた商品は商品内容の正確な理解が不可欠である。介護保険市場の拡大に伴い支払管理体制の整備も重要となるだろう。